インプレッサ・スポーツ15S(平成19年式)

では、ここで自分が乗ってる(乗ってた)インプレッサ・スポーツの感想でも書いておこうかな。思い出に。


インプレッサ・スポーツ(15S) 排気量1,498CC 2WD おそらく当事一番安いグレード。


このクルマが11年前には新車で150万円ちょいで買えたってのはびっくりですな。
自分がカーチスで買った4年前の中古車としての価格はちょうど半分の75万円。7年落ちの中古車。
車検が切れてたのと任意保険やその他の費用でちょうど120万円。
カーチスで1万円を120枚数えるのがしんどかったです。


まずはインプレッサ・スポーツの良いところを書いてみよう。


・速い。
一応「スポーツ」と名がつきますので。
低重心で当事としてはロングホイールベースなので高速道路での安定性もよく、このクルマで走ってて一番気持ちいい速度帯は1○0kmぐらい。
高速道路の制限速度上限を軽く跳び越してしまうので速度が出ないように走るほうが大変だったかも。


・曲がる。
一応「スポーツ」と名がつきますので。
実はこの「曲がる」を体験したのは自分が減量して、ゴルフをやめてクルマからゴルフバッグを下ろしてから。
ある日、高速道路に乗ろうとして導入路を走ってると「あれ? このクルマ、こんな狙い通りに曲がるクルマだったっけ?」と。
曲がりくねった中央道や箱根でもカーブをすっと曲がるので走っててとても楽しい。
この走って楽しい、曲がって楽しいはミニバンじゃ得られないので若い人にはぜひスポーツに乗っていただきたいです。


・長距離楽勝。
前項の「速い」と「曲がる」のおかげで高速道路での長距離移動は楽勝。
大阪から仙台まで880kmを給油休憩1回だけで走りきったりしました。
エンジンに余力があるから登り坂も苦にならないし、山岳エリアの連続カーブも身体が振れないから疲れないし。
長距離を疲れずに運転する秘訣は「疲れる前にゴールすればいい」を実感させてくれたクルマでした。


・室内が広い。
一応「3ナンバー」ですから。このインプレッサから3ナンバーになったそうです。
スポーツなので背が低いから、身長180cmの自分じゃ苦しいかなと思ったのですが頭の上にはこぶし2個分の楽々としたスペースが。
営業車のプロボックスがこぶし1個分なので、どうしてなのかと考えてましたが、インプレッサのシートが完全に身体をあずけてしまうタイプだったから。
このシートのおかげで本当に長距離は疲れなかったなぁ。
あと、スポーツだから前面の窓ガラスが相当傾斜しているのでそれもあって広く感じましたねぇ。
後部座席は人を乗せたことがないし、自分が乗ったことがないので知らない。


・静か。
クルマの底に雪国用の防錆材を塗ってたのもあるかと思うんですが、走っててもとても静か。
中古で購入した当事は前オーナーが17インチか18インチの扁平タイヤをつけていたので、走ってるとハンドルを取られることもしばしば。
ロードノイズもうるさかったし。
スタッドレスタイヤに交換するときに元々の16インチにしたらこれがドはまり。ハンドルを取られることもなくなったしロードノイズも減って静か、静か。
扁平タイヤは見てくれだけであんまり意味がないと教えてくれました。


とにかく走らせて楽しいクルマです。
このクルマが150万円で買えた11年前の若者は幸せだよなぁと思います。


では、悪いところを書いていこうかしら。


・音楽が聴けない。
いや、そもそもあんまり車内で音楽は聴かないのですが。
このクルマについてたナビ、再生出来るのはCDのみで、今どきのナビみたいにBluetoothスマホと接続とか出来ないから。
そうするとスマホ(自分の場合はiPodiPad)の中の音楽を聴くとなるとFMトランスミッターになっちゃうんですよ。
これが最悪。
街中だと混線してまともに聴けないし、高速道路でもクルマが多い区間は混線するし、日本海側は外国からの電波でまったく聴こえない。
何度ナビを交換しようと思ったことか。何度車内で使えるBleutoothスピーカーを買おうと思ったことか。


・色々な装備がついてない。
たぶん一番安いグレードだから。
プッシュスタートキーやクルーズコントロールやハンドル手元での音量調整とか一切無し。
当事はアイサイトとかなかったからもちろんついてない。
ついてるのはオートエアコンだけと言っても過言じゃない。
やっぱりコックピットはいろいろなスイッチがあったほうが男の子心がわくわくするじゃないですか。
そういうの一切無し。
だから少し寂しい。


んで、だからこそ今思うのですよ。
今どきの安全装備とか色々な装備はついてないけど、このインプレッサ・スポーツのように走らせて楽しい、わくわくするクルマを当時と同じ150万円で売ったら売れるんじゃないの? と。
もし11年前、自分が自動車に興味を持ってたら間違いなくこのインプレッサを買ってたと思う。
当事の自分はそんなにお金は持ってなかったけど、150万円ぐらいなら間違いなく買えた。
だから11年前にこのクルマを買わずに4年前から乗り始めたのがとてももったいない。
クルマを走らせる喜び、楽しみを知らなかったなんてすごくもったいない。


「自動車なんかなくても生きていける」とはよく言われますが、自分は「だけど自動車があったほうがもっと豊かに生きていける(東京都以外)」だと思っています。
青森の寺山修司記念館に行き、秋田の小坂レールパークに行き、岩手県の遠野のかっぱ淵を見て憤慨し、山形で採りたてのさくらんぼを食べ、宮城の南三陸さんさん商店街のキラキラうに丼を食べ、福島でオーシャンビューの温泉につかる。
これらすべてクルマがあったから出来たことです。
これらもクルマを走らせる喜び、楽しみと言ってもいいでしょう。
その喜び、楽しみを教えてくれたインプレッサが11年前だと150万円で買えたのかぁ。
トヨタは一番下のグレードでも200万超えするカローラ・スポーツをドヤ顔で売ってる場合じゃないよ。


出来れば11年前に会いたかったけど、当時はクルマに興味なんかないし、京都市内に住んでたから駐車場代が極悪だったし。
わかれるのが名残惜しい、我が最初の愛車(自動車)でした。


<PS>
このクルマのナビ、11年前のものだから東日本大震災で被災する前の地図なんだよね。
被災した東北の沿岸を走ってるとき、ナビにはある建物、ナビにはある道路が現実にはなくなっているのを見てせつなくなったことがあったなぁ。