「本来ならイラストは描かなかった。」

飲み会でironさんに語った「本来ならイラストは描かなかった。」の話。


もともと自分は「文章を書く人」であって「絵を描く人」じゃなかったんですよ。
学生時代もマン研や美術部に属してたわけじゃないですし。
ホームページもどっちかというと文章系で運営していきたかったのですね。


でもホームページを開設した97年当時はまだまだパソコン通信の時代で、インターネット上のホームページも文章、テキストメインだったんですよ。
その中には珠玉の文章や深遠な考察・批評・評論を書く人がたくさんいたので、これは勝負にならんなぁと。
自分ごときじゃとても太刀打ちできない。


そこで目をつけたのが絵。
その頃、絵を発表してる人は少なかったんですよ。常時接続サービスもなかったし、56kモデムが「早い」と言われてた頃。容量の大きな「絵」は物理的に敬遠されていたんです。
さらに絵を発表してる人はいても、一枚の絵として完成された「観賞用の絵」ばかりで、お笑いのネタ絵やマンガを発表してる人は皆無。
じゃあ、そこでなら勝負が出来るんじゃないかと。
元々お笑いやネタを考えたり仕込むのが好きだったし。


で、絵を描き始めると愕然としまして。
風景画や静物画は学校で習って描いたことがあっても、人物画は描いたことがない、描き方を教わったこともない。
さらに人物画をデフォルメしてマンガ絵にするんですが、そのマンガ絵の人物が描けない。
描き方も描く知識も描く経験もまったくゼロ。
こりゃダメだぁ〜と。


しかし、そのとき幸運な出会いが3つありました。
その3つの出会いがなければ自分は絵を描き続けてなかったと思います。


自分がゼロから始めた人間だから、「描けない」っていう人の苦労がものすごくわかります。
だから自分はそういう人にとって、自分が遭遇した3つの幸運になってあげたいなと思ってます。


ひとつ目は描き続ければそのうちどうにかなるということ。
ふたつ目は自分のヘタクソな絵を見て「こんなヤツでも臆面もなく絵を発表してる」と自信を持ってもらうこと。
みっつ目は世間でいうところの常識的な描き方にとらわれないこと。


こんな非常識でヘタクソなバカでも絵を描いて発表してるんです。
皆さん、もっともっと自信を持っていいんですよ。
今まで一枚も描いたことがない人、一度描いて発表してみれば何かが変わるかもしれません。
誰かがその絵に対して何かを言うかもしれませんが、自分はその踏み出した一歩に対して「おめでとう!!」と、必ず祝福させていただきます。