十二頭身に対する自分の考え方。

ironさんに話した十二頭身の話の図解は「落書き」のページに。
十二頭身というのはいささかオーバーですが、話をわかりやすくするために大げさに十二頭身で話をしたんだと思います。
ですのでちょっと補足説明を。


自分は脚が長くてデッサンがおかしくなってるものをフィギュア頭身と読んでるのですが、これは一時期こういう足だけが異常に長いフィギュアばかり世の中に出回っていたためです。
もしも手元にフィギュアがあればご覧ください。今でもフィギュアはかなり股下の位置が高く、足が長くなってると思います。
冷静に見れば人体のデッサンとしてはかなりおかしな部類に入るのではないでしょうか。
でも現在はかなりフィギュア製造のテクニックも向上していて、あまり無茶苦茶なフィギュア頭身のモノは少なくなりましたが。


それではなぜこういうことが起こりうるか。
『女の子の描き方』(著:ゴー・オフィス 林晃、発行:グラフィック社)という本の「実物トレスとマンガバランス」より。

ポイント3 脚:太股から膝
一般に、股上から膝までの距離と、膝から足首までは同じ長さだが、太股から膝までよりも、膝から下を少し長めにすると、カッコ良くなる。

そこにマンガバランスの挿絵が描いてあるのですが、その絵はフィギュア頭身のそれ。
自分が描いた例はあまりにヘタクソなので、もしよければこの本を見てもらえればフィギュア頭身が良くわかると思います。


膝から下を長めに描くと、まずここでバランスが崩れます。
スカートをはかせたとき、スカートがスケール(定規)の役割をしてしまい、膝下だけが異常に長く見えてしまいます。
スカートのせいで脚の長さのおかしさがバレちゃうわけです。
それを防ぐためには股下から膝と、膝から足首の長さのバランスを取らなければいけないので、太股を伸ばす必要があります。
そうすると太股、膝下ともに長さが長くなってしまい、相対的に股下の位置は高くなり、脚全体が長くなってしまいます。
これだけでかなり頭身が上がることになります。
でも今度はスカートのせいで脚の長さのおかしさはわからなくなります。
スカートがスケールの役割をして、正しい脚の長さに見せますから。
このときスカートを取っ払ってしまうとかなり太股が長いいびつな絵になっているのがわかると思います。
(自分の十二頭身の絵はやりすぎですが(笑))


長くした膝下とのバランスを取ろうとして、太股の長さも相対的に長くしたためにフィギュア頭身になってしまってるキャラで、自分が代表例で挙げるのは『TLS-S』のキャラ。
身長と股下、膝、足首の位置を見ると、太股がかなり長いのがわかると思います。
あと美少女キャラの大家である某メジャーなマンガ家さんもよく見るとこの状態(股下から膝が長くなってる)になってます。


でも別に自分はフィギュア頭身をどうこう言うつもりはないのですね。
だってそれは可愛い女の子を描くためのテクニックですから。
デッサン的な正しさを追求してあまり可愛くない女の子の絵よりも、少々ウソをついていても可愛い女の子の絵の方が自分は好きですよ。


じゃあ頭身を上げずに可愛い女の子を描くためにどうすれば良いか。
それがironさんも到達した「胴を短くすればいいんだ!!」という方法。
実際の女性をそのまま描くと、実は胴長なのに気づくと思います。自分も写真トレスの練習をしていて気づきました。
胴を短くすれば相対的に脚は長くなりますよね。
でも胴をデフォルメして短く描くのはとても難しいと思うんです。
少なくとも自分にとってはかなり難しいです。


それじゃあもうひとつ簡単な方法を。
「膝下から先は描かない」
反則だと思うんですが、こっちはとても楽。


最近は4コマにかかりっきりで絵を描いてないので、自分でも鈍ってるのがよくわかるんです。まったく描けなくなってるもん。
ちょっとこれはヤバイのでリハビリがてらまた色々絵の練習をしたいと思います。


なお、絵についていろいろ書いてきたことは、ヘタクソな自分の考え方なので、「寝言は寝て言え」とでもお考えいただければ。
いくら文章で絵の描き方を論じても、実際に絵で描けなければ「文章で書いたモチ」。
理想の絵はまだまだ遠いです。
日々練習あるのみ。