マンガ分業論。

4コマとはいえマンガを描きだしてから7年も経つと色々考えることも出てくるわけで、それは「どうしてマンガって全部自分で描かなきゃいけないんだろう?」ということ。
というのも最近の盗作騒動に付随して竹熊健太郎氏の「マンガ専用フォトライブラリー構想」や、山本貴嗣氏の「最近背景スタッフに有限会社デジタルノイズのデジコミエフェクターさんを使っている」という文章を読んだからなのですが。


商業誌デビューしてそこそこ成功できればアシスタントさんを雇う余裕も出来るとは思いますが、デビュー前や同人誌で描かれてる作家さんなんかはほとんど全部自分で描いてますよね。(お友だちにアシさんを頼んだりはありますが)
ストーリーの構成、セリフまわし、構図、エフェクト、背景、衣装、時代考証、資料検証などなど。
映画であればそれぞれ専属スタッフの仕事なのに、マンガを描く人はそれをすべて兼任してます。
それじゃどこかにしわ寄せが出るのは当たり前なんじゃないかなぁと。


例えば自分は私服を描くのが苦手というか、まったく描けません。というか服のデザインが出来ないのですね。センスがないから。
もし私服を描くとするとファッション誌を参考に描くことになると思いますが、これ、著作権的にかなりヤバイだろうと。
そのまんまその服を描いてしまったら、アウトなんじゃないかしら?
しかも服って絵を描くセンスとは別のセンスが必要だから、服のセンスがないとキャラがとてつもなくダサイ服を着てたり、そのキャラはそんな服を着ないだろう? ってことになっちゃたりするわけで。
服に関しても著作権フリー素材みたいなものってあるのでしょうか。


マンガを描くときに一から全部自分で考えろってのはすごく過酷なことなんですよ。
キャラだけじゃなく、キャラの服や小物、乗り物、住居、学校やビルなどの周辺環境、これを全部一からひとりだけで考えられるってのは本当の天才だけじゃないかなぁ。
そうなるとやっぱり分業が必要だと思うのです。
著作権フリー素材などの有りモノは有りモノとして使う。
さらに著作権に抵触しないように新規でそういったものを描き起こす。
そういう分業が必要なんじゃないかなぁ。


パロディマンガはキャラや舞台設定が出来てるのでそれを使えばいいのだけど、オリジナルで一から描き起こすのは大変だなぁと思ったり。
でも今はデジタルカメラがあるからかなり楽になったんじゃないかしら。


冬の本のプロット第一弾が出来たので、今週末はD-snapを持って素材集めに行ってきます。
今年の冬の本のテーマは「背景をトレスしてちゃんと描く」だったり(笑)。