Vの思い出。

その昔、自分もV-MAXに乗っていたので、その思い出を。


まずね、重い。
車体の重心が実は高い位置にあるので、倒れたV-MAXを起こすのは至難の業。
さらにやっかいなのは自重が重いので、一度倒れると自重でフレームごと車体が歪むこと。
とくにフロントフォークあたり。
これは後々自分も悩まされた問題でした。


さらに、熱い。
股下に1,200CCのエンジンがあるんですから。
クルマのボンネットの上に乗っかって走ってるようなもの。
渋滞する町中を走ってたら、そりゃもう熱くて脱水症状一直線。
エンジンの熱対策をどうするかがチューンナップのカギでした。


んで、真っ直ぐ走らない。
ゼロヨンイメージのあるV-MAXですが、フロントの剛性がヘロヘロで、まず真っ直ぐ走りません。
さらに追い打ちをかけるのが、極端なリア荷重なので、スピードを出せば出すほどフロントが浮くこと。
フロントをどう押さえ込むか、本当に悩みます。
自分はステアリングダンパーを二本差しにして、さらに一番強くセッティングしてました。
これでも高速道路のコーナーに最高速で突っ込んだ時にはフロントがよれたので死を覚悟しました。


一番問題なのは燃費の悪さと、燃料タンク容量の小ささ。
燃料タンク容量は15リットルですが、それは予備燃料も含めてなので実質使えるのは10リットルぐらい。
で、燃費がリッター12キロぐらいなので、一回の燃料補給で走れる範囲が100〜120キロぐらい。
これはマジ怖いっすよ!?
長距離ツーリングすると他のバイクが目的地まで無給油で走ってるのに、V-MAXはGSがあるサービスエリアごとに各駅停車。
これは本当にどうにかならんか? と思いましたね。


細かいことを言い出すと、本当にこのV-MAXは落第というか、おすすめできないんですよね。
ノーマルのホイールはすぐに錆が浮くし、前輪のブレーキパッドは消耗品だし、ブレーキもクラッチも強力な油圧なので触れるのもイヤになるし。
(SUSメッシュホースに替えると女の子じゃまず握り込めません)
とにかくフロントが貧弱で、このV-MAXのパワーを受けとめきれておらずグラグラしてます。


今のビッグスクーターが提供するようなアメニティとは無縁なバイクです。
所有し、走らせる面倒くささが乗り手を選ぶバイクです。
だけど…


そ れ が い い


んですよねぇ。


アクセルを絞ったその瞬間、まさに瞬間移動するかのような加速が得られるあの快感こそがこのバイクのデメリットを乗り越えるメリットだと思います。