『新興宗教オモイデ教外伝1』
今日はこの本の感想。
大槻ケンヂの『新興宗教オモイデ教』のファンで、大槻ケンヂの醸し出すあの世界のファンだった人が「オモイデ教外伝」というタイトルに惹かれて買うとかなり地雷な一冊。
なんつーかね、単なる萌え小説になっちゃってるんですよね。
この外伝の主人公みたいな人間を嫌い、青春時代にありがちな自己顕示欲に悩み、もやもやとした青春の蹉跌を地で行くような人間が主人公だったからこそ『オモイデ教』は面白かったと思うのですが。
外伝。
何コレ?
普通のラブコメじゃん? ねぇ?
「ラブとコメとグロを混ぜて、上から萌えを振りかければ、ほら、アンタたちは傑作と評価するんでしょ? でしょでしょ?」みたいな、オタクの足下を見たありがちな作品じゃん。
大槻ケンヂの解説も、何というか、ねぇ?
"何か"につき動かされた原田さんの筆力(パソコン?)によって、大槻ケンヂのものとはまったく異なる、原田さん独自の狂気とカルトと"萌え(死語になってもやはり)"の交錯する、幻魔の物語となっています。
つっこみどころも含めて僕はたっぷりと楽しみました。
ありがとうございます、と、この感謝の言葉も、実は僕ではなく、メグマという謎の力を小説によってこの世に認知させていこうとしている"何か"が僕に言わせていることなのでしょう。
「萌え」を死語と斬り捨て、「感謝の言葉も"何か"が俺に書かせてるんだよ」と。
それこそが本書に対するオーケンの評価だと読み解くのはいささか乱暴でしょうか。
とりあえず、大槻ケンヂの「オモイデ教」が好きだった人にはまったくおすすめしません。
読んでも不愉快になるだけだから。
でも「ラブとコメとグロを混ぜて、上から原作が見えなくなるくらい萌え(死語)を振りかけたような作品」が好きな人が読めば、きっと楽しめるのだと思います。
というか、大傑作。
いや、こりゃ原作を超えたね!!
萌え小説の金字塔!!
世界中のブンガクが全部萌え小説になればいいのに。
AMAZONで星5つ!!
…と書いたのは、多分メグマという謎の力をこの世に認知させていこうとしている"何か"が自分に書かせたのでしょう(笑)。