「電気使用ピークタイム以外での電気の使用は是か非か?」

Twitterではtweetが流れすぎて、僕のtweetも断片化してしまうのでこちらでまとめて。
以前はなんでみんなブログでtweetをまとめてるのかなぁと不思議だったんですが、あるテーマにそってtweetすると情報が断片化し、ひとつのtweetが勝手にひとり歩きしてしまい、元々言いたかったことが伝わらないからまとめる必要が出てくると。
納得。
ただ、僕の場合はtweetをまとめても余計わけがわからなくなるので、このテーマにそってあらたに書こうかと。


「電気使用ピークタイム以外での電気の使用は是か非か?」


電気使用ピークタイムってのは電気を使ってる量が他の時間帯と比べても特に多い時間帯のこと。
経済産業省が要請している節電時間をピークタイムとするなら8時〜20時までのあいだのことです。
で、僕は節電のことを伝えているテレビや新聞や雑誌を見るたびに気になって仕方ないことがありまして。
それは「ピークタイムではない時間帯にまで節電を押しつける報道や記事」なんです。
夜間も電気使わずロウソクで生活するのが美しいとか、夜間もクーラーを使うなとか、飲食店もクーラーを切って電気を使うな早じまいしろとか。
特に家庭への「夜間も節電しろ!!」的報道や記事に僕は「?」と。


だって、夜間は電気余ってるんだぜ?


って言うときょとんとする方々の方が多いかな? 「だって、電灯つけてるんだから夜の方が電気を使ってるでしょ?」 って。
そういうかたにはこちらのページを見て欲しいかな。

http://www.tepco.co.jp.cache.yimg.jp/forecast/index-j.html
見る日によってグラフは変わってると思いますが、見て欲しいのは「前年の相当日」と「前日実績」。
これは両方とも「どれだけ電気を使ったか?」を提示してるのですが、昼間より夜間の方が使用量が少ないでしょ?
なぜか?
これは昼間は工場が稼働し、各企業も企業活動をおこない、各事業所や役場も昼間に活動してるから。
夕方になったらそれらは順次停止し、みんな家に帰って夜は寝ますよね?
だから夜に使う照明のぶんをさっ引いても夜間の方が使ってる電気は少ないのです。


そして忘れてはいけないのは発電所は24時間全力で発電しているわけではないってこと。
昼間、全力で発電してる量を夜間発電しても、使ってる量は少ないし、電気は貯めておけないのでまったく無意味なんですね。
だから各時間、各曜日、天候などで常に使用量の80%程度になるように発電所は稼働しているのです。
グラフを見てもらえばわかりますが、発電できるマックスの最大発電量に比べると、昼間はかなり使用量が肉薄してますが、夜間はまったく余裕。
その間、夜は発電機は休んでいるわけです。
電力会社としては発電量にばらつきがあると運転効率が悪い(夜間は原発を動かして火力を休ませることが出来る)ので、夜に電気を使ってもらえるように夜間割引料金を設定したりしてましたよね。


僕が夜は電気が余っているって言った理由はこれで納得してもらえたかな?
夜は電気の使用量も少ないし、発電機は休んでいるのです。


んで、僕がこういうとふたつの意見が返ってきます。
それは「火力発電で排出される二酸化炭素はどうするんだ?」という意見と「燃料費増加で電気料金に跳ね返ってくるだろう?」という意見。
二酸化炭素については項をわけて話したいので、電気料金について先に話します。


まず電力会社はこういう法律で縛られてます。

http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S39/S39HO170.html
この法律の目的は電気受給者の権利を守るためのものであり、事業者の権利を守るためのものではないところは理解しておいてね。
んで、料金については第十九条でこう書かれてます。

第19条 一般電気事業者は、一般の需要(特定規模需要を除く。)に応ずる電気の供給に係る料金その他の供給条件について、経済産業省令で定めるところにより、供給約款を定め、経済産業大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。経済産業大臣は、前項の認可の申請が次の各号のいずれにも適合していると認めるときは、同項の認可をしなければならない。
1.料金が能率的な経営の下における適正な原価に適正な利潤を加えたものであること。
2.料金が供給の種類により定率又は定額をもつて明確に定められていること。
3.一般電気事業者及び電気の使用者の責任に関する事項並びに電気計器その他の用品及び配線工事その他の工事に関する費用の負担の方法が適正かつ明確に定められていること。
4.特定の者に対して不当な差別的取扱いをするものでないこと。

他にも料金については第19条に書かれていて、それは「ちゃんと供給約款通りにやりなさいよ」ということです。
じゃあ、東京電力が取り交わしてる供給約款は何か? というと、ちゃんと東京電力が公開してます。

http://www.tepco.co.jp/e-rates/individual/data/agreement/agreement01-j.html
この中のこれを見ればいいのかな?

http://www.tepco.co.jp/e-rates/custom/shiryou/yakkan/pdf/kyouky03-j.pdf
ほとんどの家庭は従量電灯Bになるのかな? そこにはこう書かれています。

料金は,基本料金および電力量料金の合計といたします。(略) 算定されたた燃料費調整額を加えたものといたします。

つまり電気代は基本料金と電力量料金と燃料費調整額の合計ってこと。
基本料金は東電の場合、アンペア数で決まってます。
電力量料金は実際に使った電気の量で決まります。
燃料調整費はあくまで1キロリットルあたりの平均燃料価格の増減で決まるものであり、増加した燃料分上乗せってことではありません。
これが供給約款として決まっているため、勝手に増加した燃料分や賠償金を加えることは出来ません。
もし増加した燃料分や賠償金を電気代に加えたいのなら経済産業大臣の認可が必要で、大臣が独断で勝手にそんなのを認めたらとんでもないことになるでしょう。
さらに電気事業法

1.料金が能率的な経営の下における適正な原価に適正な利潤を加えたものであること。

と書かれてるのですから。
高い給料が支払われ、退職金も世間の相場とかけ離れている状態が「能率的な経営」と言えるでしょうか?
燃料の輸入増加で燃料費の平均が上がらない限り、勝手な電気代値上げは実は出来ないのです。
これでマスコミがかなりいい加減なことを言ってるのがわかるかな?


二酸化炭素のことはちょっとおいておきますが、僕が「夜間まで節電するのは無意味」って言ってる理由がこれでわかってもらえたかしら?
1.夜間は元々電気を使ってる量は少ない。
2.夜間は運転調整で発電機が休んでいる。
3.勝手な電気代値上げは出来ない。


ピークタイムの節電は本当に大切だし、僕も頑張って節電しないとなぁとは思うんですが、夜間まで節電しろってのはちょっと「?」かと。

http://seikatsu.setsuden.go.jp/
この中でもちょこっと「ゲームの充電は夜に」とか「ノートパソコンのバッテリーを夜に充電」とか「朝、その日食べるぶんのご飯は一度に炊いて」とか触れられてますが、ピークシフト(ピークタイム以外で電気を使う)するってのも実は重要なことなんですよね。
そのことにまったく触れず、「夜も節電!!」「朝も節電!!」「24時間節電、節電、節電!!!!!」と報道したり記事を書いたりしてるマスコミを見ると、本当にアホかと思います、はい。


…ということをTwitterでつぶやいてたら善悪の二元論になってきて、「節電=正義!!」「夜間に電気使う=悪!!」っていうふうな風潮に。
夜間に電気を使うことを推薦してるお前は悪だ!! と言われかねないのでブログ(笑)の方でまとめてみました。