最近読んだ本の感想とか。

政治の話はそれが得意なブログ様におまかせするとして最近読んだ本の感想とかだらだらと。

ガリレオの苦悩

ガリレオの苦悩

初期のガリレオシリーズと違ってトリックが物理的・科学的ロジックよりも東野氏が得意とする叙述的トリックになってきてるのがちょっと残念。
ただ、この本に収められている『攪乱す(みだす)』が、最近はやっているインターネットを使った劇場型犯罪を扱っているのですね。
あとで紹介する本もインターネットを舞台とした作品なのですが、そちらの方はネットやパソコンに詳しい人間からすると失笑モノの出来なのですが、この『攪乱す』ではかなりネットの扱いにも詳しくなっていて「こういう劇場型犯罪がはやるかもなぁ」と思わせる出来でした。
(ただしその分『攪乱す』のトリックの方が失笑モノになってるのが残念です)
聖女の救済

聖女の救済

容疑者xの献身』に続くガリレオシリーズの長編。
東野氏の話の作り方がわからないので何とも言えないのですが、ストーリーがかなりこじつけで、映画公開に合わせて発売しますよ〜感丸出しなのが何とも。
各キャラクターの動きもトリックもよくよく考えれば…ね? って感じだし。
ただ、ガリレオシリーズではあまり描かれることのなかった内海や草薙の私情丸出しで動き回る人間くさい姿はシリーズのファンにとっては嬉しいかも。
この本を読んでからだと柴咲コウの内海薫は「あり」だと思えるのですがいかがでしょうか。
名探偵の呪縛 (講談社文庫)

名探偵の呪縛 (講談社文庫)

ミステリ作家としての東野圭吾氏が『エヴァンゲリオン』とか『最狂超プロレスファン列伝』をやっちゃった作品。
作中登場人物とそれを書いてる作家の心理がごちゃ混ぜになって最後はちゃぶ台返しをするという。
でもね、自分は古典的なミステリもいいもんだと思うのですよ、はい。
ゲームの名は誘拐 (光文社文庫)

ゲームの名は誘拐 (光文社文庫)

ああ、これ2000年頃に書かれた作品なのか。
だからネットに対して詳しくないというか、失笑モノになってるというか。
そういやその頃でしたっけ? 「2ちゃんねる」でスーパーハカーがIP抜いた〜とかどうのこうのがあった頃って(笑)。

  • スーパーハカー (2ch 2典)

http://www.media-k.co.jp/jiten/wiki.cgi?%A1%E3%A4%B9%A1%E4#i4
2000年頃のネットってどんなだったかなぁと当時の雰囲気を思い返して読むと意外と楽しい作品だと思います。

ムダヅモ無き改革 (近代麻雀コミックス)

ムダヅモ無き改革 (近代麻雀コミックス)

パロディとしても傑作だと思うんですけど、自分はあの4ページ見開きがマンガ表現としての傑作だと思います。
あれやられたら誰も4ページ見開きなんて出来ないですよ。
4ページ見開きがいかにすごいかについてはこちらをどうぞ。

  • 4ページ見開き(中野の鼻)

http://www.argas.net/~nakano/item/1429

とろける鉄工所(1) (イブニングKC)

とろける鉄工所(1) (イブニングKC)

業界モノという作品は古今東西あると思うのですが、この作品は最近はやりの「身近なんだけどあまり誰にも知られていない業界」モノ。
溶接という、身近にありながらもあまり知られていない世界が悲哀たっぷり面白く描かれております。
話変わって、自分は基本的にデスクワークが多いのですが、ときには現場に行くこともあるのですね。
毎日現場で働いている人からすれば何言ってるんだと思われるかもしれないですが、現場って楽しい!!(笑)
確かに危険だし、仕事はキツイのですが、子どもの頃に感じたあのワクワク感が一気によみがえってきて。
ネットでは肉体労働系というか現場系は蔑視される傾向があると思うのですが、現場でのあのワクワク感を感じたら現場に行ってみたくなると思います、はい。


というわけでだらだらと書いてみました。