魔女狩りの夜に

講談社の『メガバカ』というマンガが既存作品の構図のパクリまくりだったことを受けて、何かイヤな流れが流れてますね。
それは「マンガ界魔女狩り」というべきものでしょうか。


「このマンガのこのコマは○○に似ている!!」
「このマンガのこのモチーフは○○に似ている!!」
「このマンガの設定元は○○だろ?」


メガバカ』の構図のパクリまくりについては自分は一切擁護するつもりはありません。


でも、今の「マンガ界魔女狩り」の風潮はとにかく寸分の一でも、万分の一でも既存作品にかすっていたらすべてアウト。
盗作作家の烙印を押され、糾弾の嵐。
でも、オイラはこの「マンガ界魔女狩り」はどんなもんでしょ? と思うんですよね。


オイラのパクリの基準は同人界で常々言われてるそれで、「元ネタがわかったら嬉しいのがパロディ。元ネタがわかったら困るのがパクリ」なんですよね。
これは描き手基準の考え方ですが。
なのにわかって嬉しいネタも、わかったら困るネタも十把一絡げで、「このマンガのアレはあのマンガのソレなんだぜ!? ちょっとでもかすってたらそいつは犯罪者!! それがわかる僕ちゃん偉いでしょ? 褒めて褒めて☆」なんて、読み手の自己顕示欲と虚栄心だけでパロディとパクリを判断されてもねぇ…なんて思うわけです。


同人ではありますが、描き手には先ほど書いた、パロディとパクリの線引きがあります。
(そういう線引きが無い描き手もいますが…)
これからは読み手にもパロディとパクリを選別できる判断能力が必要になるんじゃないかなぁと思います。
これは描き手側だけじゃなく、読み手側も考えなきゃいけない問題ですよ。


でも、どうせ読み手側はこの問題は棚上げして「あれはパクリ、これもパクリ、わかる僕ちゃんえら〜いっ☆」という一時の享楽に浮かれるんでしょうね。
その先に待ってるのは表現としてのマンガの死なんですけどね。