アニメとチェーン店

天元突破グレンラガン』の噂の第4話をBSで視聴しました。
引越し先は地上波で見られないので。
否定派は作画崩壊、肯定派は作画監督の持ち味ということで、否定・肯定派入り乱れての舌戦が続いたようですが、自分は第4話を見てこういうふうに感じました。


あるところに新規開店したレストランがありました。
その店のメニューはいたく自分の口に合うもので、二度三度と食べに行きました。
で、四度目に行ったとき、今までと同じメニューを頼んだのに、出てきたのは今までとはまったく異なった料理。
あれ? 頼んだのと違うものを持ってきたのかな? と思い、問い直すとやっぱり同じメニュー。
あれ? これどうなってるの? と。


レストランは「いや、今回は料理長が違う人間で、その料理長の個性を出したのです」と言います。
ですがお客さんからすれば「いや、個性と言われても、自分が食べたいのは以前の料理であり、今出されたこれではないのです」と。


もし一番はじめに食べに行ったとき、この4度目の料理を出されてたら、その後その店に自分は食べに行ったでしょうか?
行かなかったと思います。
少なくとも自分は『グレンラガン』の1話目がこのクオリティならファンにはなってなかったと思います。
そういう意味で言うと、製作者側や肯定派がどんな言葉を並べようと、視聴者側の期待を裏切ったことだけは間違いありません。
そもそも「いや、これは作画監督の個性なんだ」と"言い訳"をしなければならない事態が起きてるのが「期待を裏切った」という事態が起きているということですよね。
1〜3話までの実績から4話目も期待していたのに、その期待が裏切られた、と。


こう書くと、肯定派は「作画監督の味も楽しめなくなった若造どもが増えた」と言いますが、果たしてそうでしょうか。


あるところにチェーン展開してる居酒屋があります。
直営店もあればフランチャイズ店もありますが、基本的に同じ「○○屋」である以上、メニューや価格は全国同じです。
基本的に全国で味の統一はされてるのですが、厨房のスキルにより、味やボリュームが多少変わることはあります。
さらにその土地独自の地域性を取り入れたりしています。
だからチェーン店といえども、全国で味がまったく一緒ということはありません。


ですがこれが度を越えて、全部のメニューがまったく本部と違っていて、まったく違う価格で営業したら、それはチェーン展開している「○○屋」と呼べるでしょうか?
少なくともチェーン展開してる「○○屋」とは呼べないですよね。
「○○屋」ならまぁ間違いないだろうと思ってるお客がその店に入ったら、どう思うでしょうか。
さらに言うなら、「○○屋」に入るのがはじめての人間が、はじめて「○○屋」で食べ、その味があまりおいしくないものだったら「○○屋はこういう味なんだ。次からはやめておこう」となりますよね。
そうなったとき、そのチェーン店の本部は「いや、これは店長の個性だから。食べた客のほうが味がわからないのだ」とその店をかばうでしょうか。
かばわないですよね。
勝手に味を変えたということでチェーン店契約を打ち切られるはずです。


そういう事態を防ぐために、少なくとも「この条件を満たせば○○屋と呼べる」という味の統一はしておく必要があります。
グレンラガン』という看板を出しているのなら、少なくとも「この条件を満たせばグレンラガンと呼べる」何らかの条件の統一はしておく必要があるのではないでしょうか。
少なくとも第4話は、視聴者が考えている「これがあればグレンラガン」という条件を満たすものではなかったと思います。


食べ物業界ではやってはいけないことが、アニメ業界ではOKとされてる方が自分はおかしいんじゃないかなぁと思います。
少なくとも第4話は自分の口には合いませんでした。