もし、やり直せるのなら…

ちょっと話題が古いのですが、15日に放送された『ムハハ no たかじん』の件。
ゲストの戸田奈津子氏が語っていた「テレビでバンバン広告が流れているのに、まだ日本にフィルムが来てないお正月映画」っていったいどの作品なのかな?
まだ監督が手直ししてるので日本にもフィルムが来てないそうです。


戸田氏によると、そういう最後まで監督が手放さない映画が最近増えてきているそうで、その理由がCGなのだとか。
CGだと簡単に修正や手直しが出来るので、とにかく目に付いたところを片っ端からCGで修正するそうです。
そうするとあっちを直したらこっちも、こっちを直したらそっちと整合性がないのでそっちも、こっちを綺麗にしたからそっちも……と延々と修正作業をするのだとか。
つぎはぎにさらにつぎはぎをあてていくようなもの。
あるいは永遠につり合いの取れない秤のつり合いを取るようなもの。


このCGで修正を延々とおこなうっていう気持ちは自分もよくわかります。
同人誌作成はコミスタでおこなってるのですが、これがねぇ…修正をやり出すと止まらなくなるんです。
特に自分の場合は印刷・製本も自分でやってるので、印刷・製本のデッドラインギリギリまで修正をやったりしてます。
修正を始めると止まらなくなるって方、自分以外にもたくさんいるんじゃないかと思います。


なぜそうなるかというと話はおかしくなるんですが、「修正出来るから」なんですね。
修正出来る方法があるから。
もし、一度こっきりで修正出来ないのなら修正はしません。
それは「修正しない」のではなく、やりたくても「修正出来ない」から。
修正出来る方法がないから。
だけども今はCGなど簡単に「修正出来る」方法があるので「修正しちゃう」んです。


出来ないからやらない。
出来るからやる。
結構単純なことだと思うんですが。


この「修正をおこないたい」ってのはある意味人間の性であり、強烈な願望であると思います。
映画やマンガの修正だけじゃなく、色々な物事に「出来るのなら修正したい」って思うことってありますよね?
「あの時、あの行動を修正したい!!」とかね。
やり直しが出来るのなら、人生をやり直したいって人、多いんじゃないかしら?


やり直しが出来る技術がある以上、人間がそれに固執するのは仕方のないことかもしれないです。
もし、やり直しをさせないのであれば、それが出来る「方法をなくす」しかないでしょう。


もし、やり直せるのなら、昔描いたマンガを片っ端からリメイクしたいですが、あまりに量が多いので実際にやる気にはなりません。
あ、でも来年のコミコミでリメイクしたより抜き版を作って出してみようかなぁ。
作るにあたって一番の問題は、ネタも絵も酷くて直視できないことですが。
よくこんなネタや絵で臆面もなくマンガを発表してたもんだ、うん。


もし、やり直せるのなら、マンガを描いて発表しようとしている自分自身を止めたいです(笑)。