顧客満足。
朝、ぽけーっとテレビを見ていると『永井多惠子のあなたとNHK』という番組をやってました。
これはNHK副会長・視聴者総局長の永井多惠子氏がNHKのCS推進委員会に寄せられたコメントを紹介し、NHKはこういう取り組みをおこなっていきますと情報公開する番組。
- NHK CS推進委員会
http://www.nhk.or.jp/css/index.html
今日の話題の中心はこれでした。
- NHK受信料、故意の未契約50万件へ訴訟検討
http://www.sankei.co.jp/news/060202/bun078.htm
番組中ではしきりに「ちゃんと払っている人もいるのに、払わない人がいるのは不公平だ!!」という意見を紹介。
そのとき払わない人の顔はとても憎々しげに、払っている人は天使の笑顔で紹介してたのがとても笑えましたが(笑)。
「俺が払ってるのに、あいつが払ってへんのはおかしいやないかっ!?」って論調でNHKは押し切りたかったみたいですが、「でも、それって子どもの言い訳だよなぁ」と苦笑するしかなかったです。
4日放送の『スマステ』は藤山寛美の特集だったのですが、その中で寛美が劇団員にこんな言葉で怒声を放ってました。
「お前ら、芸を"見せてやってる"って気分でおるんとちゃうか!? 芸はお客さんに"見てもらってる"んやぞ!? お金払って見てもらってるお客さんに申し訳ないと思わんのか!? そう思ったらもっと真剣にやれ!!」
NHKはこの言葉の意味をもっとかみしめる必要があるんじゃないかな?
CS、顧客満足の意味をNHKの人はまったくわかってないんじゃないかな?
「やってあげてる」「してやってる」ってのはCSをまったく意識していない考え方なんですよ。
サービス業でもこういう意識の人、はっきり言って多いです。
「梱包してやってる」「発送してやってる」「運んでやってる」「レジを打ってやってる」…とかね。
でも、それが自分のメシのタネだと思えばそんな態度取れないですよね。
「梱包させていただいてる」「発送させていただいてる」「運ばせていただいてる」「レジを打たせていただいてる」って考え方になりますよね?
この考え方こそがCS、顧客満足の考え方なんですよ。
今日の『永井多惠子のあなたとNHK』も放送してやってるという意識で放送してたんじゃないかな?
CS推進の立場で言うと、こんな番組を放送しなきゃいけないことを恥だと思わなければいけないんですよ。
だって「顧客満足が得られてません!!」と自分自身で宣言してるようなもんなんですから。
NHKの放送スタッフはこの番組を自分の恥だと思った方がいいです。
税金もそうなんですが、どうしてお客が"払いたくなる"という施策に考えが向かないのか不思議。
NHKの人、今の番組内容で胸を張ってお客さんから受信料がいただけますか?
「NHK? 見てないよ」というお客さんから受信料もらえますか? 見てない人からですよ?
放送法で規定されてるからという部分に甘えすぎなんじゃないですか?
不払いの人が「よし、これだったら払ってやってもいいな」と思える良質の番組作りをする方が、裁判より先だと自分は思います。
NHKのCS推進委員会に民間のコンサルを入れた方がいいと思いますよ。
自分たちがどれくらいぬるま湯にいるのか思い知らされますから。
民間のCS推進は本当に半端じゃないです。
この番組中で紹介されていたサーバー型放送サービスに胸を張ってるようじゃ、NHKのCS推進もまだまだだと自分は思いますけどねぇ。
「それってHDDレコーダーじゃん」ってツッコミを受けまくりのシステムじゃ(笑)。