『おおきく振りかぶって』二巻まで(著:ひぐちアサ、発行:講談社)


高校野球マンガ。よく「打球がつまる」とか「振り遅れる」とか「差し込まれる」とか言いますが、それがどういう現象なのかキチンと作中に織り込んで話が進んでいくので、野球素人にもきちんとわかる話になってます。
それというのも天才的なコントロール"だけ"が生命線のピッチャーと、天才的な配球をおこなうバッテリーが主役で話が進んでいくからなんですが。
この球をここに投げたらこうなる、その前の伏線はこう、という説明がないと、なぜこのピッチャーがバッターを抑えられるかわからない。だからピッチャーとバッターを丁寧に解説しながら話が進んでいく。
その結果「野球ってこういうことをしてるんですよ」というのが理解できるようになってます。


野球観戦歴は長い方だと思うんですが、「ストレートも変化球のひとつなんだ」というセリフで目から鱗が落ちた気持ち。
そういやそうなんだけど、言われるまで気付かなかったなぁ。


あと、このマンガで面白いのは脳みそを鍛える話。イメージトレーニングやリラックス状態を科学的に解説し、そのとき脳と身体はこうなってるんですよというのを説明している。
じゃあその状態を作り出すにはどうすればいいか、脳みそを鍛えましょうと。リラックス状態の正体は何か、という話でも目から鱗が落ちたなぁ。
ライオンズのメンタルトレーニングの正体もこのへんかな。和田の「右に流すとか色々考えていたけど、最後は来た球を打っただけ」って言葉や、松坂の「走者とか得点差とか気にせずただ投げただけ」という言葉が象徴的ですね。
自分にとってのリラックスは…自転車に乗ってるときかも。
えっ? リラックスという言葉が矛盾してる? それはこのマンガを読んで確認してみてください。


見たアニメとか。