2016年の現状。

Twitterのほうで反応してもよかったんですが、ログが流れると意図が伝わりにくいのでこちらで。


500円さんというかたのTweet

「復興5年目で40%」と言うけど、民主党政権の2年間で仮設住宅すらまともに建設されてなくて、全く復興は手付かずだったんだぞ

これに対して自分が

安倍政権でもまったく進んでなくて、その間に被災者とのマッチングが失われてることについてどうお考えですか?

リプを飛ばした件、これについて。


まず基本データはこの辺から。
・復興の進捗状況(平成28年2月11日版)(宮城県)
http://www.pref.miyagi.jp/uploaded/attachment/343602.pdf
・災害公営住宅の進捗状況(岩手県)
http://www.pref.iwate.jp/dbps_data/_material_/_files/000/000/009/718/20160131sinchokujyoukyou.pdf
・復興公営住宅地区ごとの工程表と進捗状況(福島県)
http://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/150856.pdf


災害公営住宅の完成率、平成28年1月現在で宮城県が51%、岩手県が47.6%、福島県が20.6%で、3件合算しての平均値が39.7%となります。
「復興から5年目で40%」というのはこれを指します。
宮城県岩手県福島県ともに平成29年の全戸完成を目指してるので頑張っていただきたいところです。


自分が気になったのは「復興から5年目」のうち安倍政権が3年含まれてて、平成28年現在で福島県を除いても50%っていうのはやっぱり遅いんじゃないの? っていうことなんですね。
災害公営住宅の建設が始まったころ、オリンピックが決まったり、高度経済成長期のインフラの改修が始まったりで、土木建築の作業員が全然足りないのが問題になりました。
当時は大問題になってましたが、いま、これって問題になってますか? マンションの杭打ち偽装のように以前のような「安かろう、悪かろう、危なかろう」って現場に戻ってませんか?
若者の受け入れがきちんと出来る職場になってますか?
平成29年には乗り切れそうだから、ほっといていいやになってませんか? と。
ここでこの記事。
・復興「予想より遅れ」8首長…15市町アンケ(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/local/miyagi/news/20160306-OYTNT50329.html

気仙沼石巻、塩釜、松島、利府の5市町は「建設作業員や自治体職員などの人手不足」を挙げた

安倍政権にはしっかり対応していただきたいですね。
まだ3年じゃなく、もう3年ですよ。


で、上に上げた「復興の進捗状況(平成28年2月11日版)(宮城県)が一番わかりやすいのでそれの話。
4-4-3「復興に向けた主な取組状況」(経済・商工・観光・雇用関連)のページ。
「県内の求人・求職のバランス(常用的フルタイム・パートタイム)を見てください。
職種によって求人と求職に思いっきり隔たりがありますよね。
平成25年度の資料でもほぼ変わりないです。
求人をかける側にも労働条件や賃金など問題はあるのでしょうけれども、なぜこれがいつまで経っても解消されないのか?
さっきの建設作業員の不足などを含めて求人と求職のミスマッチングや地元の要望がなかなか反映されないミスマッチングが復興を妨げている部分があるんじゃないか? と自分は思うのですけれども。


最後にこの記事。
・(東日本大震災5年)「復興遅れる」首長45% 3年前の見通しより 42市町村調査(朝日新聞)
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12243850.html?rm=149
2013年に取ったアンケートより今年のアンケートでは復旧・復興が遅れると回答した自治体首長が増えてます。
そして

岩手、宮城では、復旧・復興を妨げている要因として「自治体職員の不足」を宮城は最も多い9人が選び、岩手は「業者や作業員の不足」が最も多く(7人)、「自治体職員の不足」は「資材の不足や高騰」と並んで2番目(各6人)だった。
「財政支援」「職員派遣など人的支援」「法的整備」についての5年間の国の取り組みへの評価も聞いた。「どちらかと言えば不十分」「不十分」が合わせて最も多かったのは「人的支援」の19人(45%)だった。
総務省によると今年1月現在、職員派遣を要望しているのは3県で計39市町村あるが、196人足りていないという。

震災から5年、こういう意見もまだあることも記しておきます。