電子書籍加速期

電子書籍について色々書いてきたこの日記として、これは取り上げておかねばなるまい。

http://www.asahi.com/articles/ASG9Q6VV1G9QUCVL022.html?iref=comtop_pickup_05
コミックの新刊が紙版と電子書籍版が同時に出る作品が多くなり、これで「電子書籍元年」をやっと迎えたかなぁと思ってたら、週刊少年ジャンプ電子書籍版発行で「電子書籍加速期」に入ったかなと。
これで会津の山奥の子供たちも村の雑貨屋にジャンプを注文して遠路はるばる買いにくるようなこともなくなる、かもしれない。
書店というインフラがどんどん無くなっていくいま、電子書籍は欠かせないモノになっていくのではないかと思っております。
(書店というインフラが無くなってもコンビニというインフラがあるじゃないかという話もありますが、コンビニに置かれる書籍の数はあまりにも少なすぎ)


今やコミックの新刊は紙版の発売と同時に電子書籍版も出るし、週刊誌も電子書籍で読めるし、NHKのテキストだって電子書籍で読めちゃうしなぁ。
クルマを買ってから駐車場の関係で仙台駅の本屋にはほとんどいかなくなったけど、電子書籍版で用が足りてるし。
あとは弱小というか、小さな出版社が電子書籍を出してくれるようになればいいんだけど。
先日、この日記で書きましたが、書店というインフラにまだまだ頼れる大手出版社より、書店というインフラになかなか頼れない弱小出版社のほうが電子書籍のメリットはあると思いますよ。


それで電子書籍についてまだまだ「作品が読めなくなるのではないか」とか「アプリごとに違うフォーマットで読めない、共通化されてないのは不安」という話も聞きますが、それはそれ、今の出版社や取次、大手書店のように電子書籍出版社から作品を購入することで育て、安定化させればいいだけの話だし。
最悪、電子書籍出版社が立ち行かなければ購入した書籍のデータをダウンロード配布すればいいだけの話だし。
電子書籍出版も勝ち組、負け組がはっきりしてきてるので、最初にどこの出版社に乗るか? という選択の問題は残ると思いますが。
どこの出版社に乗るのかはこういう財務状況を見て決めてみてはいかがでしょうか。

http://contents.xj-storage.jp/xcontents/36580/2dc1f100/4963/4cd5/8984/0a85edba76b2/140120140313019860.pdf
はい、ステマステマ


で、iPad発売後から電子書籍に色々とモノを申し、自分で自炊したり、紙版よりは電子書籍版を購入してきた自分からすると、今の状況は信じられないなぁと。
だって、iPad発売後、電子書籍について考えてたときはΣブックと同じように絶対に失敗すると思ってたもん。
いや、本当。
それが週刊少年ジャンプが紙版と電子書籍版が同時に発売される時代が来るとはなぁ、感慨深い。


これについては電子書籍業界の色々な取り組みがあると思いますが、自分はやっぱり「危機感」だっただろうなぁと。
電子書籍元年がうたわれた2010年当時、電子書籍に関わる人たちのインタビュー本をたくさん読みましたが、どの人も口にしてたのが「危機感」。
それは書店というインフラがなくなってきてることや、電子書籍への参入のハードルの低さであったり、音楽のCDが売れなくなってることなど人それぞれでしたが、共通してたのは「危機感」。
とくに音楽業界の失敗は出版業界にとってものすごく大きな危機感になったと思います。
音楽業界の失敗もΣブックの失敗も、すべてコピーをおそれて著作権でユーザーをがんじがらめにして行動をガチガチに制約したのが失敗だったし。
コピーをおそれるがあまり、最新の作品を提供しなかった点について自分は「アホか」とバッサリ斬り捨てましたが。


最新作が紙版と電子書籍版で同時に発売されるようになった今、各出版社に「最新の作品を電子書籍で出すようになってどうなったか?」を追跡取材して欲しいです。


最新作が紙版と電子書籍版で同時に発売されるようになった今、電子書籍版のユーザーである自分にとってのメリット・デメリットはこんなところかな?


<メリット>
・本の置き場所を考えなくて済む。
・いつでもどこでも本が読める。
・いつでもどこでも本が買える。
・いつでもどこでも過去に購入した本や雑誌を読み返せる。
再販制度による価格の縛りがないので、半額キャンペーンやポイント還元セールで安く作品を揃えられる。
・出版社によっては日付が変わった0時から新刊が買えるので書店で買うより早く読める。


<デメリット>
・通信環境の悪いスマホタブレットのキャリアの端末を使ってると外ではダウンロードして読むことが出来ない。Softbank、お前のことだよ。
クラウド環境に依存してるアプリの場合、通信環境が悪いとクラウドからダウンロードして読むことが出来ない。JUMP BOOKアプリ、お前のことだよ。
・登録できる端末台数に制限があるため、バッテリー切れなどで登録していない端末に移行すると読むのに時間がかかって面倒くさい。ebiReader、お前のことだよ。


2010年の電子書籍元年からこっち、今や自分の手持ちの電子書籍は1,000冊を超えてます。
なのでメリットはメリットとしてひしひしと感じるし、デメリットはデメリットとしてひしひしと感じるんだよなぁ。
とりあえず来週から週刊少年ジャンプ電子書籍版へ移行しようと思っております、はい。