映画『あしたのジョー』を見てきたよ。
映画『あしたのジョー』を見てきたのでその感想でも書こうかなぁと。
- 『あしたのジョー』
http://www.ashitano-joe.com/index.html
ネタバレを含むので改行します。
ネタバレを読みたくない方は他のサイトに移動されることをお薦めします。
↓ここから改行
↑ここまで改行
ネタバレを見たくない方はもう居ませんね?
自分的にはとても面白かったです。
というのも白木葉子の出自やドヤ街の再開発とかのくだり以外はほぼ原作やアニメ版に忠実に作られてるから。
もちろん原作やアニメ版からはしょられた部分も多いのですけど、エッセンスはほぼ原作の通り。
ジャニーズタレントの起用というと原作の本筋が切られて、安直なラブドラマになっちゃうことが多いんですがそれも無し。
力石とジョーの、拳で語る二人だけの世界に女性が割り込む隙間もなく、逆にBLとかヤオイ系の人が喜べるんじゃないかとすら思える仕上がり。
で、エンドロールを見ていて納得。
監修に原作者の元奥様と原作者の実弟の名が。
しかもこんなことまであった様子。
http://entamegeinounotubo.seesaa.net/article/144306206.html
それで「原作通り」という仕上がりになってるのかな?
ジャニーズとTBSによる原作クラッシュを見ずに済んでなによりでほっと一息。
ただ、逆にそれが悪い方向に出てる部分もあって、ひたすら原作通りなので伊勢谷友介演じる力石徹も山下智久演じる矢吹ジョーもコスプレ演技にしか見えないという。
ただし、力石徹の再現度に関してはパーフェクトなんじゃないかな? と思ったり。
アニメ版にあった口角を上げて笑うような感じなんかはまさに実写版力石徹って感じ。
伊勢谷演じる力石徹と香川照之演じる丹下団平を見るだけでも映画を見る価値ありかと思います。
んで、肝心のボクシングの試合シーン。
はっきり言って試合なんてしてません(笑)。
ジョーのノーガード戦法にはボクシングのテクニックなんて必要ないし、KOの山を築きあげ、短時間で試合を終わらせる力石にもテクニックなんて必要ないから。
実際、ジョーと力石の試合も試合をしてるように見えてますが、それはカメラワークで試合をしてるように見せかけてるだけで、ボクシングファンが見れば「ありえない」ことになってます。
おそらく見る人が見れば伊勢谷も山下も「頑張ってそれなりに見られるようなレベル」なんじゃないかなぁと。
ただ、それを取ってこの映画はダメだというつもりはないですけれど。
「このパンチは痛いんだ」「このパンチは利いているんだ」と表現されてればいいんじゃないかと思いますので。
んでね、自分が感心したのはあの名セリフをためにためて、ここぞと言うときに一言だけドカンと一発!!
自分はあのセリフでちょっと何かがこみ上げて泣いてしまいました。
力石との試合までは無視され続けた団平がジョーに「おっさん、ありがとよ」と言われ(そこまでの団平の献身さが伏線になってます)、ジョーと団平の心の繋がりが出来たところにあの名セリフ!!
館内の人も心の中で叫んでいたんじゃないかな?
「立て、立つんだジョー!!」と。
見る前まではジャニーズとTBSということで確実にクソ映画になるんじゃないかなぁと思っていましたが良い方向に裏切られた映画でした。
ただし、ほぼ原作通りなので原作を知らない人が見たら「ぽかーん」となるんじゃないかと思いますが。
(高度成長期のドヤとか知らない世代がみたら確実に「ぽかーん」となると思います)
原作を知ってる人には是非見に行っていただいて、心の中で叫んで欲しいですね。
「立て、立つんだジョー!!」と。
<PS>
山下智久の棒読み演技についての酷評が多いようですが、アニメ版のしゃべり方をマネしていると考えればあんな感じじゃないの? と思いますけど。
新解釈のしゃべり方の山下版ジョーって見たくないし。
その辺を含めて自分は「コスプレ映画」だなぁと思いました。