エコ製品ってなんかつまらない。

今日はこのニュースかな。

  • “エコ特需”膨らむ期待 追加経済対策 (河北新報社

http://www.kahoku.co.jp/news/2009/04/20090411t72028.htm
エセエコロジストの自分としてはエコ製品の普及は喜ばしいことなんですが、最近ちょっとこういうエコ製品に違和感がありまして。


エコはもともと地球温暖化の進行を阻止したり、化石燃料資源を保護するための"手段"であったはずです。
それがいつの間にかエコすること自体が"目的"にすり替わっていないかなぁと。
よくありがちな"手段"と"目的"のすり替わりなんですが。


それは最近の工業製品の売り方にもよくあらわれていて、例えばこれ。

http://www.sanspo.com/geino/news/090410/gnj0904101001013-n1.htm
人感センサー搭載で、見てる人がいなくなると自動的に画面が消えると。
無駄な電気代が減らせてとってもお得で環境負荷もかけずにエコですね、と言いたいと思うのですが、自分なんかは「だからなに?」なんですよ。
それってテレビに期待するニーズのトップクラスなんですか? と。


テレビだったらやっぱり画質とか音質とか、ほかにも様々な付加機能がやっぱり魅力じゃないですか。
HDDやブルーレイ搭載とか、配線が後ろからじゃなく横から出せるので壁にぴったり置けるとか。
そういう様々な付加機能の中で最後にくるニーズがエコだと思うんです。
だって本当にエコのことを考えるならテレビなんか見なきゃいいんですもん。
大画面テレビの製作や輸送、店頭展示、自宅までの配達、そしていずれはやってくる廃棄のことを考えたら、テレビを買う行為自体が最大の環境負荷をかけるのですから。


エセエコロジストの自分から言わせてもらうと、商品コンセプトの中でエコを考えるのはまず当たり前。
使って楽しい、便利な製品で、そしてエコだったらいいですね、的なもんだと思うんです。
エコだったら嬉しいな、的な。
ちょっと付いている、ちょっと考えてある製品だと使うのも楽しいなって感じの。


それをまずエコを前面に押し出して「これは環境にとってもいい製品だから買い換えろ!!」といわれてもなぁと。
だってエコを前面に押し出してる工業製品って使って楽しい、所有して満足、って製品じゃないもん。
エコを前面に押し出してる製品って、なんかつまらなくないですか?


なんかねぇ最近のエコブームの中でエコを前面に押し出してる製品が多いのですが、なんかつまらない製品が多いように自分は感じてまして。
それは手段と目的が入れ替わってるからなんじゃないかなぁと思ったり。


エコは考えてあって当たり前。
前面に押し出すものじゃないんじゃないかなぁと自分なんかは思うのです。


<PS>
自分がエコを前面に押し出してる製品をつまらないと感じるのは、その工業製品が矛盾する存在だと感じるからじゃないかなぁと思います。
だって本当にエコのことを考えたらその工業製品がない方がエコの考え方としては素直に納得できるのですから。
環境負荷への贖罪としてのエコを考え出すとどうにもこうにもなわけで。


人間が存在し、活動するかぎり環境負荷は発生する。
まずそれは当たり前のこととして認識しなくちゃいけない。
その人間の、文明的で文化的で、進化し続ける便利な営みの中で、環境のことも考えてまっせ、忘れてまへんで、って感じのスタンスが一番心地いいと思うんですけどね。


エコを前面に押し出す製品は、まず一番先に直面する"存在の矛盾"と向かい合わなければいけないわけで、その窮屈さが自分にエコ製品を「つまらない」と感じさせてるんじゃないかなぁ。
エコのことは忘れてまへんで、ちゃんと考えてありまっせ、という感じの「ちょいエコ」「お得感エコ」の方が自分は心地いいけどなぁ。