NDSとW-ZERO3の狭間で。

NDSPSPダブルホルダーになってしばらく経つのですが、触れば触るほど両機種の設計思想の違いを実感します。


NDSから感じ取れる設計思想は"子ども向け"の"ゲーム機"ということ。
子ども向けということで少々手荒に扱っても大丈夫なように出来てたり(エベレスト登頂でも壊れなかった!!)、ボリューム調整の機能がハード的に設けられていたりであるとか、ゲーム機としてこのハードはよく考えられていると思います。
あと、任天堂はソフトメーカーでもあるので積極的にNDSの機能を生かしたゲームを発売しているところもゲーム機としての強みですね。


それに対してPSPから感じ取れる設計思想は"大人向け"の"マルチメディアプレイヤー"ということ。
しかしマルチメディアプレイヤーだと考えるとものすごく中途半端な感じを受けます。


例えばPSPの購入理由として「動画を持ち運んで見たい」というのがあると思います。
しかしその理由でPSPを購入したものの、あまりのわずらわしさに「動画を見るのにもうPSP使ってないよ」って人、多いんではないでしょうか。
色々な動画ビューワーを試してきた自分ですが、一番のネックはエンコードなんですね。これに時間がかかりすぎる。
マニアにとってはエンコード時間なんて問題ないと思いますが、普通のユーザーにとってはこの時間がとてつもなく高い「めんどくさい」の壁なんです。
それが分かったのかソニーは去年PSP用mpeg4データを書き出せるスゴ録RDR-AX75を発売しましたが、すでにこれ、パナソニックが採用を取りやめた機能なんですよね。


その昔のパナソニック製HDD搭載DVDレコーダーにはD-snapや携帯電話で視聴できるmpeg4データを書き出す機能があったのですが、「動画を持ち運んで見る」というのが需要がなかったのかマニアの行為だったのか、いつの間にかその機能がなくなってました。


積極的に「動画を持ち運んで視聴したい」という普遍的な需要があるかといえば、今の時点ではかなり「?」だと思うのです。
しかも動画を持ち運ぶにはとても面倒くさい壁が存在する…。


それじゃあエンコードせずに済むUMDビデオならどうか?
自分ならPSPUMDビデオじゃなく、ポータブルDVDプレーヤーとDVDソフトを買います。
家庭用デッキで再生できないくせにDVDソフト並みの高額なUMDビデオなんて、本当に普及…、いや、売れると思ってるんでしょうか。
UMDビデオ、一枚いくらなら買います? ダウンロードして見られる視聴期間制限付きの動画コンテンツはいくらなら買います?
これ、マニアが自分でエンコードして作れば期間制限もなくものすごく安く出来るモノです。
こういうモノと競合してる自覚がソニーにあるとはさっぱり思えない。


自分がPSPをメディアプレイヤーとして考えると中途半端だという理由はものすごくマニア向けの仕様になってるからなんですね。
それはロケフリを含めても。


PSPをマニア向けだと割り切り、それじゃあマニアがPSPに望む機能を考えると、実はすでにそれが実現に近いところまで出来ている製品があります。
それは「W-ZERO3」です。
動画はminiSDで持ち運べます。
リモートアクセスを使えばPCに保存している動画も見られます。
ブラウジングも快適で、タッチペンが使えて、PDAとして使える……。
そのうちW-ZERO3ロケフリなんてことも出来るんじゃ…?


そのときPSP、どうするのかしら?
W-ZERO3の登場で、PSPはあまりにも宙ぶらりんな立場になっちゃったんじゃないかなぁ。


<参考>

http://mya.blogdns.org/blog/2005/12/30/1152.html