忘れてたエピソードを思い出す。

機動戦士Zガンダム 星を継ぐ者』見てきましたので感想など。


富野監督の「僕が一番ガンダムをうまく操れるんだ!!」という叫びが聞こえてきそう(笑)。
星を継ぐ者』を見ると、『SEED』や『SEED DESTINY』という作品のダメさ加減を痛感します。
星を継ぐ者』は「キミたちのやってるのはガンダムじゃないんだよね〜」「キミたちが見てるのはガンダムじゃないんだよね〜」という富野監督の痛烈なダメ出しになってます。


『Z』と『SEED』の大きな違いは、『Z』が"作品"なのに対し『SEED』は"商品"。
『SEED』は"作品"を模倣し、劣化し、大量生産した"商品"。
作品・商品という言い方でわかりにくければ、『Z』はマンガとか小説。それに対し『SEED』は通販雑誌のカタログ。
『Z』がストーリーを見せているのに対し、『SEED』は萌えキャラとかモビルスーツのカタログ。『SEED』にはストーリーがまったく存在しないんですよ。


ストーリーっていうのは作者のメッセージだと言い換えてもいいと思うんですね。
『Z』には富野監督のイライラしたメッセージが詰まってるのに対し、『SEED』にはメッセージのカケラもない。
だから『SEED』を見終わったあと、何にも印象が残らないんですね。
二十年後、『SEED』が『Z』のように再編集して劇場版として鑑賞に堪えうる作品になるかと問われたら「絶対ムリ」と自分は答えます。
星を継ぐ者』はアニメにおいてストーリーって大切なんだと認識させてくれると思います。


で、問題はファーストガンダムや『Z』を見たことがない、あまり知らない人がこの作品を見たらどうかしら? という点。
この作品、自分はあくまで『Z』本編を知ってる人向けだと思うのですね。
「とりあえずみんな『Z』は知ってるよね」ということを前提にして作られているので、『Z』を知らない人が見たら「?」がついちゃうだろうと思います。
だからあくまで知ってる人向けだと思うんです。
ただし、『Z』を知ってる層のパイがデカイから、作り方としてはそれでいいのかもしれません。
ファーストガンダムの劇場版もそういう作りだったし。


良くも悪くも「ファンなら必見」の作品。