君が気に入ったならこの船に乗れ

指を曲げたり伸ばしたり。
少しずつ復活。


絢爛舞踏祭ザ・マーズ・デイブレイク』終了〜。
お疲れさまでした〜。
良くも悪くも一陣の風みたいなアニメでしたね。


すぐに人死に・鬱シナリオに突入し、高尚な文学を気取って観客をほったらかしにするマスターベーションアニメが多い中
『マーズ〜』は冒険物の持つ爽やかさと主人公の成長というテーマを貫き通していたので見ていて爽快でした。
逆に冒険物の王道だっただけに物語が予定調和で、大きく枠を外れることがなかったと言うこともできるのですが。
それが最終回での盛り上がりの少なさに繋がってるんでしょうね。
それでも『マーズ〜』はよくやった方だと思いますよ。


それぞれのキャラもしっかり立ってたし。
特にエノラとベスはその辺の萌えキャラよりしっかりと地に足がついていて良かったなぁ。
媚びてない女の子のかわいさというんでしょうか。
萌えキャラの正体なんて媚び媚びのダッチワイフですよ。魂の入っていないお人形さん。
そんなの相手にしてどこが楽しいのかと思いますが。
『マーズ〜』の女性キャラ陣は船長をはじめ、みんな媚びてなくてしっかりとキャラが立ってる、自分の足で立ってる。
だからこそ時々見せる「可愛さ」が増幅されるのですよ。
パンモロよりパンチラ、これですよ。


プロレスの試合でも大技乱発の試合より、緩急をつけてここぞという場面で畳み込む試合の方がメリハリ効いて、見てておもしろいでしょ。
今月発売の『紙のプロレス』の武藤敬司とAKIRAの対談はもの凄く良かった。
「技術がないから大技に頼る。」
このパラドックスが理解できるかな?
本当のプロレスは間を見せるもの。間を作り、試合にテーマを作り感情を表現する。
その間を作り出すことが技術なんだけど、若手のレスラーは間を作るのが怖いからできない。
だから技を休みなく連発する。
連発するから試合にメリハリが利かず、試合に感情を出すことができない。
感情が出ないからのっぺらぼうになってしまい、誰がやっても同じ試合になってしまう。そしてお客さんは退屈する。


今の萌えキャラ、萌えアニメもこれと一緒。
間を作る技術がないから最初から最後まで媚び全開。
だからみんな同じに見えてしまう。
『マーズ〜』は恐れることなく間を入れていたので、キャラがみんな個性的で魅力たっぷりに見えるのだと思いますよ。


武藤敬司とAKIRAの対談は自分にももの凄く参考になりまして。
ウチの4コマ、セリフが多いのは自覚してるんですよ。
なぜなら絵で表現しきれてないから、そのぶん言葉で説明しなくちゃいけなくなってるんです。
本当はそれを絵で表現できないといけないと思うんですよ。
でも自分に技術がないから自信が持てず、セリフを省けない。結局言葉に頼っちゃう。
それを変えていかないといけないのが自分の課題なんですけどね。


一言もセリフがない4コマを描いてみたい。
これが自分の課題であり目標かな。


『マーズ〜』は男性陣も魅力的なキャラが多かったですよね。
女性陣・男性陣ともに魅力的なキャラが多かったので、この優等生的なシナリオではちょっと弱かったような気がします。
もうちょっと制限のないところではっちゃけて制作できれば傑作になったアニメだったと思います。
傑作ではないけど佳作のアニメって感じでした。