渦の中で。

今日知り合いと話していて、自分のコミケに対するモチベーションの低さ、
コミケに対する苛立ちの正体に気付く。


コミケが書き手と読み手の出会いの場や、コミュニケーションの場ではなく、
単にモノを売る場、買う場になってしまったこと。
そうなってしまったことでサークルや本に対して売れる売れないといった評価がつきまとう。
販売部数はサークル参加の当選率にも関わってくるし。
そうなると書き手は売れる本を目指して描かなければいけなる。本作りをしなきゃいけなくなる。


流行の先端を追いかけ、萌えキャラの青田買いをし、オタ情報のマーケティングをしなきゃいけなくなる。
「売ること」が目的のサークルであればいいけれど、「自分の描きたいモノを出す」ことが目的のサークルにとって
コミケは居づらい場所になってしまっている。


なぜ居づらい場所になってしまったのか。
一般参加者の「お客さん化」だ。
お客さんにとってコミケは「場」ではなく「市場」だ。「市場」であるなら市場の原則が働くのは当たり前。
その市場の原則がサークル参加者にとって悪い方向に働き始めている。
「売ること」が目的になってしまったサークルも多くなってしまっている。
書き手と読み手に悪い方向に相乗効果を与えあっている。


「お客さん化」の原因は色々あるけれど、企業ブースという存在もお客さん化に拍車をかけていると思う。
あと、町中にある同人誌を扱ってる書店とか。
もともと企業ブースと同人誌即売会は同じ理念の元でおこなわれるものではない。
企業ブースにとって参加者は"お客さん"であるが、同人誌即売会にとって参加者はサークル参加者と対等の"参加者"だ。
一般参加者に"対等の参加者"の理念を説いてこなかったツケがサークル参加者側に出始めている。


コミケ前にはいつも「売れる本を描かなきゃいけない」というプレッシャーがあるのですが、
自分は「いや、自分が描きたい、作りたい本を出せばいいんだ」と考えて、そのプレッシャーをはじき飛ばしていたんです。
でも最近急速に「市場」化していくコミケを見ていると「やっぱり売れる本を作らないといけないのかなぁ」と思うようになりまして。
しかし、それは自分のやりたいことではない。
そして自分には描きたいことが描ける場としてインターネットという手段がある。
WEBコミックがある。


でもコミケではWEBコミックでは得られない読者の方とのふれ合いがあります。
これは何物にも換えられない喜びです。
コミケWEBコミック、その狭間で揺れているのでコミケに対するモチベーションも上がらないわけです。
「やりたいことをやるのなら、WEBコミックでいいやん?」と。
「でも読者の方とのふれ合いも捨てられない」と。
もしかしてイライラしてるのはコミケに対してではなく、そんな優柔不断な自分自身に対してかもしれません。


とにかくそろそろ締め切りも近いので自分自身に折り合いをつけないといけないわけで。
もう少しだけ時間があるのでどうにかしたいと思います。


映画『マッハ!!!!!!!!』とマンガ『デスノート』、『ヒカルの碁』の感想は追々書いていきたいと思います。