+1の積み上げ。

今日はこの話題。

  • 『独り言以外の何か(仮)』さんの「過熱するニュースサイト論 読者は置いてけぼり?」

http://d.hatena.ne.jp/Su-37/20050209#p1


先日書いた「批評家気取りの人間が陥りがちな悪文」があちこちのサイトで紹介されてまして、コメント付きの紹介だと「あー、そういうこともあるよなぁ」とか「やっぱり自分は短慮なんだなぁ、反省」とか思えるんですが、正直コメントが無いと薄気味の悪さを感じたりします。自分の意見は肯定されてるのか否定されてるのか、何をもって紹介されたのかなぁとか。自分の場合、意見を書くことが多いので、人が言いにくいことを代弁させられてるんじゃないかなぁとか不安になります。
ですのでコメント無しの紹介に対する反発が少なからず自分の中にあったわけですが、それに対して

数あるニュースサイトが、紹介することによって出回る情報に「+1」を付けていって、その値が情報の価値になるシステム

だと考えれば自分の中に納得のいく落としどころもできるわけです。つまり肯定であれ否定であれ、紹介されればその情報は伝える人にとって+1、目をとめて読む価値のあったものだと。そう考えるとすごく納得。


ニュースサイトに関しては以前「家電量販店」http://d.hatena.ne.jp/bolt69/20041128と書いたんですが、それもあながち間違ってないように思います。
ニュースサイトの人が感じるむなしさって、家電を売ったところで商品を褒められることはあっても店員が褒められることはないのに似てるんじゃないかなぁ。例えばA家電店がS社のビデオデッキを売ったとすると、「S社のビデオデッキは良かった」と言われても「S社のビデオデッキを売っていたA家電は良かった」とはめったに言われない。でも、そこでA家電の店員は「S社のビデオデッキを売ったのはオレなんだぞ!! S社のビデオデッキじゃなくオレを褒めろよ!?」と言うだろうか? 言わないですよね。(希に言う人もいますが(笑))
そうであるならニュースサイトがその方向で称賛を求めるのはおかしいような気もします。S社のビデオデッキの性能はA家電とは何の関係もないのだから。元記事に対する報償を期待するのは違うような気がします。


じゃあニュースサイトの評価ってなんだろうと考えると、これも家電量販店への評価が当たってるんじゃないかなぁ。
品揃えが豊富で、新製品が発売日に揃う。性能が確かな製品を揃え、お客さんに製品の特徴・メリット・デメリットを説明できる。お買い得商品を常に用意し、客足を絶えさせない。「A家電に買いに来て良かった。また来よう。」とか「その製品ならA家電に必ずあるから行こう。」とかいう、商品の性能以外の付加価値を販売する部分が家電店への評価。ニュースサイトへの評価もそれじゃないかなぁ。
(小売店っていうのは商品じゃなく、付加価値を売るもんなのです。はい。どこで買っても同じ製品をいかに自分の店で買ってもらうか。それはつまり付加価値を売ることです。コンビニなんかもそうですね。)
成功してるニュースサイトはやっぱりこの付加価値がしっかりしてると思うのです。


でも、この家電店的評価というのが実はやっかいで、それがニュースサイトの管理人さんを困らせるんじゃないかなぁ。
というのもこの評価、ずばり数で出ちゃうんですね。つまりアクセス数。というか、数以外での評価が見えにくくなる。品揃えが良ければお客さんが来るし、悪くなればお客さんが去る。数以外での評価が出にくくなるから、常に何らかのニュースを引っ張ってこないといけない。途中で止まることを許されない。更新が止まれば他のニュースサイトへ人が流れるから。しかしニュースを引っ張ってきても引っ張ってきても数以外での評価は見えない。だからニュースサイトって作るのがものすごくしんどいんじゃないかなぁ。


とりあえず日頃お世話になってるニュースサイトの方々、いつもお世話になってます。今後も頑張ってください。