新聞「紙」は絶滅するか?

今日はこの記事かなぁ。
朝日新聞、4年間で発行部数105万減の衝撃…新聞業界、存亡の危機突入へ(ビジネスジャーナル)
http://biz-journal.jp/2016/10/post_17001.html
この記事では読売、朝日が大幅部数減になってるのは押し紙を減らしてるからだと分析してます。
そしてこの記事を取り上げたネット界隈では恣意的な記事を書き、捏造、偏向を繰り返す既存マスコミの終焉だと分析されてます。
で、自分は部数減に対してちょっと違った考えをしてまして。
新聞が部数を減らしてるのはライフスタイルの変化の部分が一番大きいんじゃないかなぁと。


例えば、皆さん、朝食は必ず自宅で食べてます? 食べてない人のほうが多いんじゃないですかね?
一昔前のマンガなら「出勤前に朝食を食べながら朝刊を読むお父さん」っていう絵があったと思います。
自分が新聞配達してた頃も「出勤前に配達を終わらせる」のが鉄則でした。自宅で新聞を読んでから出勤する、という人がほとんどだったので。
でも今はどうですかね? 長距離通勤が普通になって出勤時刻も早まり、新聞を読んでる時間も朝食を食べてる時間も無いって人がほとんどでは?


で、そこに登場したのが携帯電話やスマホ
自宅で新聞を読めなくても長距離通勤の車内でニュースを読むことが出来ます。しかも手元で。
一昔前のマンガなら車内で新聞を広げて読んでる姿が描かれていたと思いますが、今のラッシュの車内では新聞なんて広げるどころか取り出すことも出来ないですよね。


そして夕方。
お父さんたちは残業、残業で帰ってくるのは夜遅く。
お母さんたちは共働きや子供の世話や家事で超忙しい。
独身の人たちはそれこそ残業、残業、残業で帰宅は深夜。
こんな状態で誰が夕刊を読みます?


そう、今や新聞紙は暇な老人が読むものになってるんですよ。
朝、朝刊を読む時間があるのはお年寄り。
夕方、夕刊を読む時間があるのはお年寄り。
パソコンやスマホでニュースを見ることが出来ないお年寄り。
新聞紙はレガシーメディアになっちゃってるわけですよ。


さらに言うと新聞の拡張(部数を増やすためのセールス)も今や難しくて。
マンションはオートロックだし、一戸建ても昼間はお父さんもお母さんも働きに出ていて誰もいないし。
契約に結びつけるための景品も今や効果が無いですし。
(野球のチケットなんて今や座席が細分化されてネットで手配したほうが良い席で見られますし、さらに言えば「球場まで行く暇がない」っていう人がほとんどでは?)
新聞の拡張で契約が取れるのもほとんどが日中在宅しているお年寄りなのではないでしょうか?


つまり、どう考えても新聞紙はお年寄りのためのものになっちゃってるんですよ。
今の新聞紙の購読スタイルって前世紀というか1970〜1980年頃のライフスタイルが元になってますよね。


お父さんは朝、朝食を食べながら朝刊を読む。
お母さんは新聞のチラシでスーパーの値段をチェック。
お父さんは夕方、家族と一緒に夕食を食べ、夕食前に夕刊を読む、というね。
↑こんな家庭、今や絶滅しちゃったんじゃないでしょうか。


お父さんは朝、朝食も食べずに超満員電車で長距離通勤。
お母さんは子供の世話したり家事をしたり働きに行ったりで超多忙。
お父さんは深夜、奥さんと子供が寝静まった頃に帰宅してレンチンでご飯。
↑どう考えても新聞紙が入り込める余地、ないですよね?


今の新聞紙ってどう考えても一般人のライフスタイルと乖離してるんじゃないかなぁと思います。
これが部数現に歯止めがかからない部分かと。


じゃあどうすれば新聞紙は売れるんだろう? と知り合いと話してたら、これから結婚をしない独身者が高齢になっていけばV字回復するんじゃないの? とのこと。
ポストに新聞紙がたまってれば孤独死しても早めに見つけてもらえるから、と。


新聞は無くなることはないと思います。
「情報」は必ず必要だから。
だけど新聞紙はそのうち絶滅すると思います。
孤独死を早めに発見するサービスが登場すれば。


今の「情報を紙で読む必要が無いライフスタイル」が当たり前の人たちが「お年寄り」になる頃には新聞紙、紙媒体はなくなるんじゃないかなぁ。
そのために押し紙を減らして生き残りを考えてるのが上記の記事の部数減に繋がってればいいなぁと思います、はい。