モノがない、人がいない。
今年の3月11日は東日本大震災から3年。
地震でお亡くなりになったかたに深く哀悼の意を表し、行方不明になられたかたの早期発見を願い、今も避難生活を続け、苦難を余儀なくされている方々が早く元の生活に戻れますよう祈念いたします。
1年目は東京、2年目は仙台で3月11日を迎え、去年は復興のあまりの進まなさに憤り、4コマでネタにしたりTwitterで荒れ狂ったtweetをしてました。
そして今年、3年目を仙台で迎えました。
今年も復興の進まない様子を現地で見ていて、自分の感情はまた荒ぶるのかと思いましたが、不思議と冷静でして。
だって復興の工事を進めるにも土木も建築も作業員さんがいないもん。
作業員さんが居なければ作業出来ないんだから復興が進むわけがないですよね。
特定の基礎的な資材も枯渇していて入ってこない。
資材が入ってこなければ復興が進むわけがないですよ。
「あぁ、これはダメだわ、復興が進むわけないわな」という諦め。
それが3年目の自分の感想でした。
いくつか新聞記事を取り上げてみましょう。
- 復興の足かせ わが家 まだかなわず 需給バランス崩れる(河北新報)
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201403/20140309_75016.html
- 入札不調の解消図る 太田国交相に聞く(福島民放)
http://www.minpo.jp/news/detail/2014030714354
http://www.sanpo-pub.co.jp/topnews/2014/0220015850.html
なぜか大手3紙と大手ブロック紙1紙の記事が検索でひっかからなかったですが。
大手紙を含め内容のほとんどが、復興が進まないのは資材単価と労務費が高騰してるからだって記事なんですがね。
資材単価と労務費を取り上げて土木建築業界が値をつり上げてるとか、価格調整をしない役所が悪いみたいな風潮に持っていこうとしてる記事。
でもね、これ、元々資材が不足してるんですよ。
作業員が不足してるんですよ。
その単価と労務費で資材と作業員が入ってくるんなら入れたいって現場、山ほどありますよ。
だけどね、資材も無ければ作業員もいないの。
だからどうしようもないの。
消費税前の駆け込み需要が収まれば資材も作業員も融通が利くようになるんじゃないかという見込みもありますが、そのあとに待ってるのは東京オリンピック。
すでにオリンピック向けに作業員さんの囲い込みがはじまってます。
東北はますます作業員さんが不足するでしょう。
そうであれば復興はどんどん遅れますよ。
ネットをやってる人はインテリで高給取りのホワイトワーカーが多いようで、土木建築作業員なんてすぐに誰にでも簡単に出来ると思われているようですが実際はそうではありません。
今の土木建築作業って専門技術に特化してるので、何も知らない人が来ても何も出来ないんですよ。
政府は作業員不足のために外国人労働者を入れるみたいですが、日本語も話せない、日本語も読めない、専門の経験がない人に来てもらってもどうにもならないんです。
今や根本から土木建築業界を見直す必要があるんですね。
(若者就労や高齢者離職対策など)
なのに政府は何の対策も打たず、付け焼き刃の対応でごまかそうとしてる。
こんな状況で復興が進むわけないですよ。
震災後に被災地自治体は任期付きで職員を雇い入れましたが、これも任期が迫ってます。
専門職に従事してる職員さんなんて今やどこの業界も必要としてる人ですよ。
自治体は任期を延長するでしょうけど、果たして残ってくれる人がどれだけいるか、これも不安です。
と、ダラダラ書いてきましたが、何が書きたかったかというと「人がいないよ」ってことなんですけどね。
人がいない。
資材がない。
運ぶトラックが捕まらない。
役所も人がいない。
こりゃどうにもならない、です。
どうにもならない諦めの感情を抱いた震災から3年目の自分なのでした。
http://www.asahi.com/articles/ASG3B6QB4G3BUTIL04X.html
復興庁によると、今月末までに3県で2347戸の災害公営住宅が完成する予定だが、計画戸数の9%にすぎない。
本当、どうすんだろうね?