違法アップロードサイトについて

ちょっと自分の中でもやってたのでとりあえず書いておこうかなと。


それは「同人誌の違法アップロードサイト」についてなんですけどね。
スキャンされた同人誌のzipデータをアップローダーにあげて、それをダウンロードしてタダで見られるようにしてるサイト。
多くはアフィリエイトサイトとして運営されていて、そのアフィリエイトに客寄せするために同人誌のデータが大量に置かれているのですが。
この違法アップロードサイトについて同人作家の方々はどう思っているのかなぁと。


オリジナル作品はもちろん二次創作にも著作権はあるわけで、その作品を作者の許諾もなくアップするのは違法。

  • 二次的著作物 (知的財産完全解決)

http://www.chitekizaisan.jp/cat109/cat127/post-65.html
ただ、ダウンロードについては違法ダウンロード法に規定されてない(デジタル動画や音楽が対象)ので違法ではないですが。

  • STOP! 違法ダウンロード

http://www.stopillegaldownload.jp/


オリジナルはともかく二次創作の作品は一次の作者さんが訴えればどうなるかわからないぐらい真っ黒のグレーゾーンなので、その弱い立場につけ込んでるのが違法アップロードサイトなんですがこれってどうなんだろうなぁと。
一度スキャンでデジタルデータになってしまえば星の数ほどある違法アップロードサイトに出回っちゃうし。
その星の数ほどあるサイトすべてにいちいちアップした作品を消してくれなんて対応出来ないし。
これ、実は同人誌界隈にとっては厄介な問題なんですよねぇ。


何が問題なのかというと建前は下の2点です。
1.自分の預かり知らないところで作品が出回ってしまう。
2.お金を出して頒布物を受け取っていただいた方に申し訳ない。
本音の問題点もあるのですが、それは一部のサークルのことなので書きません。


1についてはどんな内容のものをどこでどれくらい頒布したか自分で掴んでないと作品に責任が取れないのですね。
30人に頒布したもの、300人に頒布したもの、3000人に頒布したもの(自分はそんな経験ありませんが)では作品に対する責任が変わります。
これは同人誌を発行したことがある人ならわかると思うのですが、30人用に作るものと3000人用に作るものでは作品作りがまず変わります。
自分の責任が取れる範囲でしか描けなくなります。
(その責任とはもし作品に何かあった、表現に何か問題があったとき、その表現について説明や謝罪をおこなうことですが。)
この責任の取り方が30人と3000人ではまったく変わってしまうんですね。
だから勝手に出回ったものについては責任が取れなくなっちゃう。


2についてはもう書いてある通り。
同人誌を発行するのもタダではないですから、印刷代の幾ばくかを読み手の方に負担していただいてるサークルもあります。
(いくら印刷代が安くなったとはいえ発行部数によっては全額自費負担はきついので)
そういう読み手の方の協力をいただいて何とか本を出してるサークルさんが、「ネットでタダで読めるから買うのやめるわ」となったらどうでしょう?
発行部数を少なくするとか、新刊が出せないとかなるでしょう。
まさに「趣味の範囲」でしか活動出来ないぐらい縮小してしまうしかないでしょう。
そうなればコミケで行列が出来るようなサークルさんの本は益々希少本となり争奪戦が酷くなるでしょうし。
何よりお金を出していただいてる方に申し訳ない。


何年か前に自炊について日記に書いたとき、悪意ある人間が自炊データを流し出すととんでもないことになると書いてたのが現実になってるわけで。
しかもそれが大きく声を挙げにくい同人誌界隈で起こってるわけで。
TPPによる著作権非親告罪化もそうですが、これも大きな問題なんじゃないかなぁと思います。


どうすれば解決出来るのかはわかりませんが、いま出来るのは「好きな作家さんの本は買って読む」ことかなぁと。
好きな作家さんの作品は中古書店で買うんじゃなく本屋で新品で買うことにも通じますけどね。


違法アップロードサイトのことを言うと「新たな作品と新たな読者との出会いの場になってるので有意義な存在だ」という肯定的な意見もあって、それは僕も全否定出来なくて。
さらに言えば作者さんからの削除要請に応えるサイトも多いですし。
(ただ、一度データが出回ればあちこちに転載されるので意味が無い部分もありますが)


この辺、違法アップロードサイトにデータを上げられた作家さんの意見もお聞きしたいなぁと思うところでした、はい。