『テレビ怒りの鉄拳』

今日はこの話題かなぁ。

  • ひな壇芸人のギャラ「高くても50万円程度」と元テレビ局P (NEWSポストセブン)

http://www.news-postseven.com/archives/20130323_178145.html
ネット界隈ではフジテレビの視聴率下落が色々語られていますよね。
色々な原因はあるかと思いますが。


で、大阪のABC朝日放送ラジオにこういう番組があります。

http://abc1008.com/suiama/index.html
関西テレビアナウンサーの桑原征平が活動の場を朝日放送のラジオに移してやりたい放題、言いたい放題やってる番組。
若い人はもう知らないかもしれないけど桑原征平って「ニュース記事を読んだことがない」「標準語が喋れない」アナウンサーで、バラエティ番組のコーナー『征平の挑戦』などで身体を張ったロケをしていた芸人みたいなアナウンサー。
その人が定年で関西テレビを去ったあと朝日放送ラジオに拾われて、今や関西のラジオ番組にはなくてはならない存在になってます。
その「粋も甘いも」の木曜日のコーナーに『テレビ怒りの鉄拳』というコーナーがあります。
これはその週に視聴課題のテレビ番組を決め、それを見た桑原征平やリスナーがその番組の批評、批判、評価をするというコーナー。
このコーナーはかなり人気があるらしく某動画視聴サイトで聴くことが出来ますが、このコーナーで関西テレビやフジテレビの番組が課題になったときの桑原征平の批判がすさまじい。
古巣への愛情がそうさせるんでしょうけど、普段の飄々とした桑原征平から激変しての批判の姿に驚くと思います。
しかも桑原征平だから感情論での批判をするのかと思ったら、詳細な技術論での批判でビックリ。
「テレビマン」っていうのはこういう人のことを言うのだと思います。


その中でも桑原征平のフジテレビの番組への技術的な批判がすさまじくてですね。
まずはカメラの映し方が悪いと連打。
光源やピントなど技術的なことを指摘しまくり。
特にスポーツ中継や生番組でのカメラは目もあてられないと。
ピントが合わない、ぶれてる、全然関係のないところを映してるなどなど。
あと「視聴者に何を伝えたくてその絵を映してるのかまったく考えてない」と。
「前の絵があるから次の絵が生きるのに、その前の絵を映さず次の絵を映すのに固執しまくってるから視聴者に感動が生まれない」とかね。


そしてバラエティ番組などで使われるワイプもバッサリ。
なぜワイプでタレントの絵を抜くのかと。
まったくビデオに興味なさそうなタレントをワイプで抜いてどうするんだ? と。
ワイプを使う意味を考えたことがあるのか? と。
ワイプを使うのはタレントに支払ったギャラを少しでも回収するためだろうと。
そんなのだったらタレントを呼ぶのをやめて制作費に充てろと。


番組構成もバッサリと斬りつけます。
本来必要ない絵を使いすぎるとか、もっと大きく長く使わないといけない絵を押さえてない、その絵のための伏線を張ってないとかね。
呼ぶ必要もないタレントを使って、そのタレントのギャラを回収するために冗長なインタビューをしたり話を振ったり、それ必要なのか? とか。
視聴者を感動させるにはどうすればいいか、その根回しや伏線を考えずに撮った絵だけを垂れ流してるとか。


その上で桑原征平は昔のテレビマンは絵をひとつ撮るのにもカメラマンはすごく考えてたし技術を磨いてたし、スタッフは視聴者にどうすればビックリしてもらえるか感動させられるか考えていたぞと。
しっかりしろ関西テレビ、フジテレビ!! と叱咤激励するのですが。


この番組を聴いてて思うのは関西テレビやフジテレビで技術の継承や情熱の継承がおこなわれていないんだなぁと。
そして今や視聴者の方を向いて番組を作ってるテレビマンはいなくなったんだなぁと。
それだったら視聴率が落ちて当たり前なんじゃないの? と。
関西テレビやフジテレビはこの桑原征平の激励のラジオを聴いて色々考えた方がいいと思うんだけど。


あ、桑原征平は良い番組はちゃんと良いと評価しますし、その良いところも具体的に説明してくれるので、この番組を聴くとテレビを見る目が変わると思います、はい。