『死体の犯罪心理学』

読んだ本の感想とか。

うーん、この本、ある特殊な性的指向や犯罪傾向を持ってる人が読むとまずいんじゃないかなぁ。
だって、この本「バラバラ殺人完全マニュアル」だもん。
この本で扱ってる事件、「新宿・渋谷エリートバラバラ殺人事件」とか「江東マンション神隠し殺人事件」などのバラバラ殺人事件が多くてですね、それを法医学的に解説してるんですね。
法医学的な解説というと難しそうですが、ぶっちゃけ人間をバラバラにする方法とその処理の仕方です。
さらにこの本で解説されているプロファイリングを逆手に取ればプロファイリングを欺くことも出来るでしょう。
まさに「バラバラ殺人完全マニュアル」!


短いページですが最近おこった「島根女子大生殺人遺棄事件」も扱っていて、上野氏は犯人を異常性欲者とプロファイリングしています。
島根県警は死体に付けられた傷から怨恨で捜査していたみたいですが、やっぱり違っていたんだろうなぁと自分も思います。


上野氏はあとがきの中で監察医制度の拡充を挙げられてますが、自分もそうするべきだろうなぁと思います。
そうすれば現場での勝手な思いこみで初動の捜査ミスをすることもなくなるだろうし、日本的なプロファイリングも充実するだろうし。
どうやって監察医を確保するかについては大変高いハードルがあり、上野氏が言うように世論が動かないかぎり難しいとは思いますが。


何にせよ、法医学的な手の内をさらけ出してしまっているこの本が、特殊な性的指向や犯罪傾向を持ってる人の目に触れないことを祈るだけです、はい。