「ブロガー>絵描き」なヒエラルキーに「NO!」

『かーずSP』さんところ経由でこの話を。

  • 漫画家志望者がインターネットを使って名を上げられる環境が構築できないだろうか? (Geekなぺーじ)

http://www.geekpage.jp/blog/?id=2008/6/9/1


…………って、あの、どうしましょ? 自分が感じてる違和感を書いちゃってもいいのかしら?
いいですか? あ、はい。


この記事って「ブロガーが漫画家志望者にブログの挿絵を書いてもらってブロガーとしてますます成り上がろう!!」って記事にしか読めないのです。
少なくとも自分には。
マンガ家志望者の人をどうやって陽のあたる場所へ送り届けるのか? はこの記事では少なくとも語られていないと思います。


まず、なぜ「ブログで有名になる」という過程が必要なのでしょう?
で、なぜ「有名ブログの運営者」の原作付きマンガを「マンガ家志望者」が描かなきゃいけないのでしょうか?
これって、本当にマンガ家志望者にとってメリットがあるのかしら?
これって絵の描けないブロガーが単に絵を外注に出してるだけじゃないの?
ブロガーが外注の支払いをしたくないから「ウチのブログに絵を描けば商業デビュー出来るかもよ?」と言ってるふうにしか感じないというか。
「有名ブロガーのウチの原作マンガを描かせてもらってるなんて、名誉に思えよ? お前?」って言われてるというか。
「その作品」を商業化するときにマンガ家がはずされてリライトされる可能性はないの?
「ウチのブログにガタガタ言うならお前、作画から外してもいいんだぞっ!?」という恫喝は起こりえないのかしら?
この記事通りなら、作画の立場、弱いっすよね?
だって出版社にとって必要なのは原作だけだもん。


結局、コレってマンガ家志望者が「出版社」から「ブロガー」にいいように使われるだけなんじゃないの?
搾取されるだけなんじゃない?


過去に色々なマンガ投稿サイトが立ち上がっては消えていきました。
というか、マンガ投稿サイトなんて成立しないんじゃないの? ってぐらい生まれては消えていきました。
それは

多くの視線が集まる「場」

を作れなかったからだと思うのです。


ネットでマンガを発表している人の大部分は「自分の描いたこの作品がたくさんの人の目にとまって欲しい」と思って発表してると思うのです。
自分を含めて。
でもね、そういう意志は過去に散々踏みにじられてきたのです。
「このサイトに人が集まらないのはヘボ投稿者しかいないからだ!!」というオーマイニュース的な逆ギレで。


本当に「多くの視線が集まる『場』」を作れれば、絵描きの人はそこに投稿しよう、提携してみようと思いますよ。
でも、出来てないですよね。
結局ハードよりもソフトというか、多くの視線が集まる場を作るにはハードよりもソフトってことで、サイト運営の営業努力を放棄して投稿者を罵りなじるだけの投稿サイトになっちゃうことが。
「多くの視線が集まる『場』」を今までに作れなかったのはなぜか? を提示できなければ結局この記事も「ブロガーが絵描きに絵を描かせようとしてるだけ」となって投稿作品なんて集まらないと思います。


有名ブロガーの尻馬に乗れば漫画家志望者もデビューできるかもよ? っていうこの記事の意見には自分は違和感を感じました。