『バブルへGO!!』

映画『バブルへGO!!』を観てきました。
当時青春時代やビジネスの前線にいた人なら「あー、そういえばそうだった、懐かしいなぁ」と観ることが出来るんじゃないでしょうか。


んで、この映画の舞台になってる1990年、バブルの頃を思い返すと、今よりも格差は大きかったんじゃないかなぁ。
当時自分は学生で新聞配達をしてたんですが、とにかく配達する人がいなかったことを思い出します。
配達の募集をかけても誰も来ないんです。
主婦も学生も、他に時給が良くて楽な仕事があるから、新聞配達だけじゃなく、キツイとされてる仕事は本当に人を集めるのが大変でした。
この頃、大阪市内のほとんどの販売所で外国人がいない販売所はなかったんじゃないかな。
キツイ仕事には日本人が来ないので、新聞配達はほとんど外国人だよりだったんです。
(中国の留学生が多かったです)
その外国人も他に割りの良い仕事があるからすぐに辞めてしまうので、本当に人を集めるのが大変な時代でした。


当時自分が配達してたのは大阪の桜宮。
大阪に住んでる人ならピンと来ると思いますが、そう、大阪では超有名なラブホテル街です。
ここはバブルの頃、本当にすごかったですよ。
金曜・土曜には若いカップルがタクシーで乗り付けるので渋滞。
さらにどこも満室で、2時間〜3時間待ちは当たり前。
ホテルへ向かう前、精力をつけるためなのか、ラブホ街まわりの焼き肉屋も長蛇の行列。
そのラブホに集金に行ったときに聞いたのですが、とにかく値段が高い部屋から埋まっていくとのこと。
桜宮で不動産屋をやってる人も、当時は家賃が高い部屋から埋まっていくって言ってましたね。
(分譲マンションもそうだったとか)


ちょっと足を延ばして梅田まで出れば、もう、本当に映画も真っ青なバブルの世界。
とりあえず、お金無しでもなんとなくファジーに遊べたんですよねぇ(笑)。
ご飯食べたり飲みに行ったりしても、誰かが何となくお金を払ってくれてたりとか。
見も知らぬ「社長」と呼ばれてる人が自分たちの分まで払ってたりとか。
今なら目上の人と飲みに行っても割り勘が当たり前ですが、当時は全部目上の人が御勘定。
だからペーペーな自分たちなんかはお金を出す必要がなかったんですよねぇ。


で、当時「自分の身に覚えがない」土地を持ってるっていう知り合いがいました(笑)。
しかも数人。
ある日突然土地を持ってるというのが発覚。
田舎の土地なので、その辺の権利関係がグダグダで、調べると実はその土地はその友人のものだったとか。
今なら二束三文で持ってるだけ損な土地だと思うんですが、バブルのときってそんな土地まで不動産屋が買おうとしてたんですよ。
しかも超高値で。
彼ら、今も元気でやってるのかなぁ。


大学だとバブル当時、活動目的がナンパというサークルがいくつもあって、そこも「何となくどこかから」お金が出るスポンサーが付いてたりしてたんですよね。
そのお金で夏はテニス、冬はスキー場っていう、マンガに描いたようなナンパサークルがあり、そういうサークルこそが「大学のサークル」の象徴でした。
卒業旅行も、爪の先に火を灯すように貯めたおカネじゃなく、なぜかどこかからおカネが出てたりとか。
(たしか旅行社とタイアップだったような)
この「何となくどこかから」お金が湧いてたのがバブル時代。


自分なんかはバブル当時はまだ学生だったし、社会人デビューしたときにはバブルは終わっていて、バブルの負のカードの押し付け合いが始まっていたので(結局そのカードは国民に押しつけられたわけですが)バブルの直接的な恩恵は受けていません。
どっちかというと人手が集まらず、苦労した記憶が残っています。
あまりに人手が集まらないから「早く好景気終われ!!」なんて思っていましたが。


みんな今の時代を不景気だ不景気だと言ってますが、いつと比べて不景気だと言ってるのかなぁ。
不景気だと言ってる人の発言を聞いてると「バブルの頃と比べて不景気で、好景気とはバブルのことだ!! カムバック・バブル!!」と言ってるようにしか聞こえないんだけどなぁ。
自分は「今」より不景気になったら困るけれど、バブルはバブルで困りますけどね。
人手が集まらなくなるから。