あなたのお宝グッズは何ですか?

オタクの定義化が完了したことについて去年書いたのですが、それに続いてまた色々と。


"彼ら"はオタクでしょうか?

  • 最狂超プロレスファン列伝 REVENGE (まんだらけ出版)

http://www.mandarake.co.jp/publish/fan/
「東京の大会場でおこなわれるプロレスの試合をナマで観るためだけの目的で東京の大学を受験、合格し上京してきた」鬼藪宙道(UWF現リングス派・前田日明ファン)と、闘狂大学プロレス研究会に集うプロレスファンのドタバタを描いたマンガ。
彼らのおこないはマンガで是非読んで欲しいのですが、抜粋すると…



各部員たちが「俺の応援する選手・団体こそが最高!!」と言い合っていたり
プロレスを「八百長だ」と言う人間を説得するために理論武装(あと実戦的な武装(笑))していたり
プロレスの聖地・後楽園ホールに巡礼してみたり
お金では絶対に買えないグッズをお宝グッズとして紹介しあったり
プロレスの話をすると白ける女の子たちを「ぶち殺す!!」と忌み嫌ってみたり
リング最前列の席を手に入れるための情熱の炎を燃やすために、BSアンテナを破壊し、実印とキャッシュカードと預金通帳を燃やしたり
その年もっとも活躍した選手を決めるために部内でディスカッションしたり
負けた選手の悪口を書いてあるメディアをぶっ潰すために衛星放送用衛星を破壊しようとしてみたり
北尾光司が精神修行した滝の水を汲みに行ったり
ブルーザー・ブロディの命日にブロディシャウトしてみたり
ブロディとハンセンが一騎打ちしてるように見えるようにビデオを編集したり
(国内では一度もシングルマッチがおこなわれなかったから)
かたよった選手のファンばかり登場させてたら、その他の選手のファンに糾弾されてみたり
佐山が活躍してる週プロを自分で作ってみたり
ぼったくられても「資金援助したんだ」と自分を納得させてみたり
プロレスファンをやめれば彼女が出来るのに、最後の選択でプロレスを選んでみたり


自分は彼らの行動は十分「オタク」だと思うのですが、世間的には本のタイトル通り「ファン」なのではないでしょうか。
「オタク」ではなく「ファン」。
なぜなら彼らのオタク行動の対象が「二次元美少女キャラ」や「萌えキャラ」じゃないから。
だから今はオタクマンガジャンルの作品としてこのマンガが認識されていないんじゃないかな。
91年に月刊少年マガジンで連載が始まったときは「激笑プロレス"おたく"マンガ」とコピーがうたれていたのに。



第3戦「炎のファイター」より

「お金を出せば買えるモノ」をありがたがってるようじゃまだまだ、っていうのが昔の「オタク」だったんですけどね。
お金を出して買ったモノでも、それを通して語り尽くせぬ自分だけが感動する思い出が存在していたりとか。
今のオタクと昔のオタクの間には価値観の断絶というか変質がやっぱりあると思いますよ。