「大阪で見られる番組が、山形では見られないのはなぜ?」

今日はこの話題を。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20061213it02.htm?from=top
この日記でもWinnyについて色々書いてきましたが、自分はWinnyはIT時代の新しい著作権ビジネススタイルのあり方を考えるきっかけだと考えています。
IT時代には旧来の著作権ビジネスは成り立たなくなりますよ? そのときどうするんですか? と。
その投げかけこそが金子氏が意図したことだと思います。


パソコンソフトなんかはアクティべーションを実装したり、価格を見直して廉価版やお試し版を出したりして、「ウィルスなどのリスクがあるWinnyで落とすよりも、安全なダウンロードショップで買った方がいい」という状態になりつつあります。
これはWinnyをきっかけと考え、ビジネスモデルを見直したからだと思います。
こういう見直しはメーカーと消費者がwin-winな関係に近づく好例と言えるんじゃないでしょうか。


逆にビジネスモデルも見直さず、現行の著作権ビジネスモデルを守るためにガードをガチガチに固めてるのが音楽とテレビの業界。
ガードをガチガチに固めてたらwin-winの関係が築けるわけないですよね。
よけいに反発を生むだけです。


この日記で何度も書きましたが「大阪で見られる番組が、山形では見られないのはなぜ?」という質問に対し、テレビ局は納得のいく説明をしてみて欲しい。
インターネットで全国民が同じ情報を共有化出来る時代に、あっちでは見られるのにこっちでは見られないという状態がテレビにはあります。
それがこのIT時代にビジネスモデルとして通用しますか? ってことなんですけどね、Winnyが投げかけてるものって。


以前感想を書いた『電波利権』という本を読むと、そういうあっちでは見られるのにこっちでは見られないという状態をそのままにしてるのは、それがテレビ局の縄張りだからなんですね。
全国どこでも各地方の番組を見られるようにすると、全国の放送局で競い合わなければいけなくなります。
その競い合いがテレビ局はイヤなんです。
だからその縄張りをテレビ局は死守したいんですね。


でも今や競争原理が働くのはどの業界も同じじゃないですか。
テレビ局だけがイヤって言えますか?


VAIOAQUOSを合体させてテレビパソコンにしてますが、自分の場合、テレビの視聴よりもパソコンの画面を映してる時間の方が長くなってます。
パソコンを使いながらテレビを見てる人もいると思いますが、それらの人はどっちの画面を見てる方が長いでしょうか。


縄張りを死守しようとするあまり、テレビ局は他のコンテンツと戦って勝つことが出来なくなってるんじゃないかなぁ。
縄張り死守のために著作権で番組をガチガチに固めたらそれが足枷になってるし。

  • TV番組のネット配信促進、著作権に登録制

http://job.yomiuri.co.jp/news/jo_ne_06081502.cfm
こういうのを「自分で自分の首を絞めてる」って言うんです。
テレビ局は著作権をガチガチに主張するより、どうすれば視聴者とwin-winの関係を築けるか考えた方がいいと思います。



テレビ局と視聴者のwin-winの関係とは何か?
それは「大阪の番組を山形でも見られるようにする」ことだと自分は思いますよ。


追記

  • Winny開発者の有罪判決で「今後はWinnyユーザーの摘発も予想」

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061214-00000023-imp-sci

ネットエージェントの杉浦社長は、今後、ファイル交換ソフト利用者が逮捕される可能性を指摘する。Winnyユーザーの著作権法違反容疑での摘発としては、2003年11月に2名が逮捕されたのみだが、「今回の裁判の判決が下されるまで、捜査機関は摘発に踏み切れなかった」と分析。「金子氏に有罪判決が下されたことで、捜査機関は、他人の著作物を流通させているユーザーを(著作権法違反の正犯として)取り締まることも予想される」。

出来るのならガンガン摘発して欲しいものです。
IT関係者は何年同じこと言ってんだか…。