魚の皮は上か下か?
今週号の週刊新潮を読みました。
朝日新聞の惨状と福岡のイジメ自殺事件の記事が目的だったんですが。
で、他のページをパラパラと読んでいて気になったエッセイがありました。
それは渡辺淳一氏の「あとの祭り」というコーナーの「なぜ魚の切り身は皮を表に出すのか」。
和食の店に行って、魚の切り身が焼き魚や煮魚で出てくるとき、いつも皮の方が表になって出てくる。
これは見かけが悪くて食べにくい、と渡辺氏は疑問を投げかけているのですね。
読んでいて「あれっ?」と思ったのが、皮の方が表になって出てくる魚もあれば、下になって出てくる魚もある。
なのに渡辺氏はいつも魚の皮が上で出てくるという。
そこで、あれっ? 魚の切り身の上下ってどうなってたっけ? と。
渡辺氏が行くような高級料亭では全部が上なのかしら? と。
そこで渡辺氏はその理由を「皮で魚がわかるようにするため」と書いてるんですね。
江戸の末期頃、魚の種類を偽って出している店があったに違いない、だから魚の種類がわかるように皮を上にするようになったのだ、と。
で、やっぱり自分はパソコンっ子(笑)ですから、本当にそうなのかしら? と思って検索して調べてみました。
- 塩サバの盛りつける向きは皮が上?下? (教えて! goo)
http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=2224815
- 魚の焼き方?「海背川腹」?「川背海腹」? (教えて! goo)
http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=862097
- お魚の上手な食べ方(残骸の状態)を教えて下さい。 (教えて! goo)
http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=219870
- 魚の焼き方
http://www.recipe.nestle.co.jp/from1/basics/steak/menu2.htm
- 和食のマナーについて
http://www.jp-guide.net/manner/sa/wa.html
要約すると、魚の皮の上下は次の要素で決まるみたいです。
①皮と身どっちを先に焼いた方が美味しいか。
②見栄え。
③どっちの方が食べやすいか。
④縁起(慶事・弔事、由来など)など。
つまり、魚の皮の上下のきまりは先人たちの知恵であり、全部が全部上ではないですよ、ということです。
渡辺氏の「食べやすい方法で食べて構わない」という意見には賛成ですけど、皮の上下のきまりについては異議あり。
だって、全部が全部、魚は皮が上じゃないから。
皮が上の魚もあれば、下の魚もあります。
魚の皮の上下には料理人の知恵と伝承が詰まってます。
それを考えず、「先輩の教えを鵜呑みにしてるだけだ」と斬り捨てるのはどうかなぁと思います。
お金を取って文章を書いてるプロの作家だったら、もうちょっと調べれば良いのにと思いました。