「要点は何?」

浄水器の訪問販売がウチに来ました。
最初は「水道工事することになったので、その説明をさせていただきます」とのこと。
居留守使おうかと思ったけど、部屋の灯りが点いていて在宅がバレてるので、ドアをガンガン叩き、チャイムをピンポンピンポン押しまくり。
仕方ないのでドアを開けて、「ウチは賃貸なので水道工事するんなら家主さんから話があるはずだけど聞いてないよ?」と言うと
「水道工事なので我々が各戸にご説明させていただいてるんですよ」とのこと。


こっちが胡散臭そうに見てるのがわかったのか「じゃあ要点だけ手短に話させていただきますね」と販売員が言うので話を聞いていると、大阪の水道水は直接飲めないですね〜なんかの世間話をするので、「いや、そういうのはいいから、要点だけ話して」と自分が言うと、相手はポカンとした顔に。
「あなたが要点だけ手短にって言ったから聞いてるのであって、要点以外のことは話さなくていい」と言うと「いや、私も話のペースがありますから…」とかゴニョゴニョ口ごもりだす始末。
「要点は何?」と再度問い質すと「お忙しいんですね、パンフレット置いておきますから目を通しておいてください」と販売員は退散。


この販売員、プロ失格だなぁと思いました。


訪問販売のマニュアルに無い言葉が飛んできたので対応できなかったのか、それともこの販売員のスキルが低かったのか。
モノを売るとき、そのモノの特徴と利点をまとめ、要点として説明できるのがプロだろう? と自分なんかは思うんですけどね。


こういう「要点は何?」という話、皆さんも経験ありませんか?
会話でも報告でも連絡でも会議でも手紙でもメールでも。
要点だけ最初に話してくれれば3分で決着する話なのに、要点をまとめきれないのか、自分に責任がないことを言いたいのか、延々と要点に近づかない。
だから何が言いたいのかわからない。
結果、誤解やミスリードを生んだり、対応ミスを起こしてしまう。


「要点は何?」と言われて説明できるのは"国語力"のひとつだと思いますが、そういった要点をまとめる教育ってあんまりしてないので仕方ないのかなぁとも思うんですよね。
大卒の新人でも、書類を書かせるとほとんどが「感想」で、要点をまとめた「報告」が書ける人間はかなりまれな部類だし。
(だから各企業には新卒教育期間があるわけですが、最近はそういうのをやる企業も少なくなりましたね。即戦力が求められてるというか、企業に教育の余裕が無いのか…。)


「名文は伝わりをもって善しとする」と言ったのは誰だったか忘れましたが、要点をまとめることが出来ず、何を言ってるのかわからないでは誤解も生むし、対応ミスも起こすし、困ると思いますよ。


逆に要点をまとめすぎるのも色々困ることもありますし、要点をわざとぼかすことで話を有利に進めるテクニック(今回の訪問販売なんかのケース)もあるんですが、それはまた別のお話で。