プチクリ同人作家。
岡田斗司夫氏のブログ「プチクリ日記」での話題、「プチクリとは何か?」を読んでいて少し考えたこと。
自分は岡田氏の「プロだけが正解じゃない」「表現したい魂があって、その出口が見えなくて困っている人がこんなにいる」「その「日記を書いて、人に見せられる」というだけのことができない人が大部分なのに!」という意見にはとても賛成。
自分がWEBコミックを描くことを皆さんにおすすめしてるように、ブログやホームページやマンガやCGなんかの表現活動をおこなう門は常に開かれていて、誰でも入ることが出来ます。
昔この日記で書いたように、表現活動に本当に必要なのは才能でも努力でもなくて、「それをやってみよう」と一歩踏み出す勇気。
で。自分もこの日記で散々踏み出す勇気を書いてきたし、勇気づけてきたつもりですが、隠してることがあります。
「誰でも表現活動の道に踏み出すことは出来ます。しかしその表現活動を誰にも見てもらえないこともあります。誰かに絶対に見てもらえるという保証はありません。」ということ。
岡田氏の言うように
みんなが書いているブログを見て、どこかで誰かの生き方が変わる。
「じゃあ、私も書いてみよう・描いてみよう・表現してみよう」
と影響されて書きだしても、それを誰かに絶対見てもらえるという保証はないわけです。
むしろ人目に触れず閉鎖していくブログやホームページの方が多いんじゃないでしょうか。
人が表現活動に踏み出す勇気を持てないのもそこだと思うんですよ。
「もしブログを始めても、誰にも見てもらえなかったら? すごく格好悪い。じゃあやめておこう。」
そういう人が欲しいのは「踏み出す勇気」じゃなく「人に見てもらえる保証」なんですね。
そして表現活動に踏み出した人が悩むのもそこだと思います。
「あれ? ブログを始めたらみんなに見てもらえると思ったのに誰も見てくれないよ? 反応もないよ? やっぱり自分には才能がないんじゃないかしら? 人に読んでもらえる方法を誰か教えて〜!!」
勇気を出して一歩踏み出したのに、話が違うじゃないか!! と。
みんなね、保証を欲しがってるんですよ。
それが「才能」であったり「人に見てもらえるマニュアル」だったりするんです。
でね。ここで前に自分が言った言葉に付け足しをしないといけないのです。
「誰でも表現活動の道に踏み出すことは出来ます。しかしその表現活動を誰にも見てもらえないこともあります。誰かに絶対に見てもらえるという保証はありません。「見てもらえる」という保証がないと動けない人間には表現活動をおこなうのは向いてないです。」
自己責任なんですよ。
誰かに保証されないと動けない人間は表現活動に絶対に向いてないです。
その部分で言うと表現活動って起業と似てると思うんです。会社や店を起こすことね。
その起業の中からオリジナリティにあふれた新しい会社や店が生まれてくるわけです。
でも成功の保証を求める人って、起業じゃなく、すでに出来上がっているフランチャイズに加盟するようなもんだと思うんですよ。
運営のノウハウはある。売上はある程度めぼしがつく。じゃあ失敗しないからやってみようか? と。
でもフランチャイズにオリジナリティがありますか? ノウハウ以上の売上を上げることが出来ますか?
結局、フランチャイズって他人の言うことをやるだけじゃないですか。
ノウハウやマニュアル通りに動くことがオリジナリティですか?
それに売上が悪かったらノウハウやマニュアルが悪いと言う逃げ道もありますし、責任転嫁も出来ますよね。
自分は誰にでも表現活動は出来ると書きました。
それは誰でもフランチャイズ型の、保証を求める生き方を捨てられますよということなんです。
その捨てるということが踏み出す勇気なわけです。
保証がないと動けない、保証を捨てられない、という人には表現活動は無理だと自分は思います。
もちろん自分が言う保証を捨てるということは、表現活動とは別にある自分の生活(収入を得る手段)を捨てるということではないですよ。
それはプロを目指すということですから。
収入を得る手段が別にあるからこそ、表現活動では思い切って「人に見てもらえる保証」を捨てることが出来るのです。
他に収入があるから表現活動では好きなことが出来る、とも言えますね。
その辺で考えると学生さんの方がプチクリの考えは厳しいかも。
自分のような社会人なら表現活動を趣味の一環としてへらへらと考えることも出来るけれど、学生さんは「もしかしたらこれで俺はメシを食っていけるんじゃないか?」「これでメシを食っていきたい」と、表現活動をおこなうことに一抹の期待があると思うので。
プロ化しない表現活動・プチクリはとても楽な生き方なんですけど、そこまで学生さんに達観せいというのは酷。
じゃあプロになるにはどうしたらいいかって?
それはプロの人に聞いてください。
自分はプロじゃないのでわかんないです(笑)。