ホワイトバンドにふと思う。

最近ネットで「ホワイトバンド」なる言葉を目にしていて、何だろうなぁと思っていたんですが、近所のコンビニでそのホワイトバンドを売っていたのでちょっと検索して調べてみました。

  • ほっとけない 世界のまずしさ

http://www.hottokenai.jp/home.html

http://whiteband.sakura.ne.jp/


個人的には「貧困を無くそう」という理想は共産主義的だとは思うけれど素晴らしいし、やれるのなら是非やって欲しいし、問題点を指摘されようが、この運動に参加するもしないのも個人の自由だと思います。
でも自分は「○○運動」と呼ばれるものには共感出来ないものもあるのですね。その理由を書いていこうかと。

  • 「○○運動」にはいつも具体的な目標や手段の提示がない。


例えば貧困を無くそうという理想があるとします。でもその理想をどうやれば実現できるのでしょうか。実現のためには具体的な目標と具体的な手段の提示が必要となります。
まず「貧困」とはどういう状態か「貧困ではない」状態とはどういう状態かを明確に定義づける必要があるでしょう。
(1日1ドル以下で、きれいな水を飲めなくて、読み書きのできない大人は日本国内にもいます)
そして「貧困」を「貧困ではない」状態にするために何年までにこういうことをおこないますという具体的な施策が必要です。
(1日1ドル以下で生活してる人を何ドルまで引き上げるのか。そしてそのための方法は? 高額所得の運動参加者はその所得をどうするの? 再分配するの? 投資するの?)
この具体的な目標と手段の提示のない運動は必ず頓挫します。
行動の伴わない、いわゆる「口だけ」ってヤツです。


「口だけ」の運動って、言うだけはタダだから物凄い美辞麗句を並べ立てられるんですよ、なんせタダだから。
じゃあそれを実現する具体的なプランを出してくださいと言われると、「この崇高な理想が理解出来ないなんて!!」と逆ギレしたりします。
これ、実は詐欺商法と同じ手口です。
「ものすごく儲かる話があるんですよ〜」と近づいてきて「それじゃあ具体的な取引や流通、出費、経費、利益、純益、販売目標と達成率を出してください」と言うと「この儲かる話が信じられないなんて!!」と逆ギレ。最後は「私を信じてください」なんてなったりしちゃう。
どうです? 口だけ運動と詐欺商法、同じでしょう?
だから自分は具体的なプランを提示していない、口だけの運動にはまったく信用も共感もしません。

  • 「○○運動」を立ち上げることは、「参加者」と「不参加者」を作るということです。「不参加者」の自由を奪ってはいけません。


「何かを"選ぶ"ということは、他の何かを"選ばない"ということだ」という言葉があります。
「○○運動」が出来ると、すでに「参加者」と「不参加者」が出来るんですね。
自分は「○○運動」が強制ではない、自由意志で参加・不参加を決められるものであるなら、参加するのも自由、不参加も自由だと思うのです。
しかし問題がやっぱりありまして。
崇高な理想を掲げてれば掲げてるほど「この素晴らしい運動に参加しないなんて、アイツはけしからん!!」とか言う人が出ることなんですね。
この崇高な理想に参加してるワタクシ、かっこいい、素晴らしい!! なんて思っちゃう人が。
別にそれは心の中で勝手に思っていてくれればいいんだけど、問題なのは「不参加者」を攻撃し出すことなんですね。
「この理想がわからないなんて、あいつは人間じゃない!!」とか「この理想を妨害するヤツは暴力を振るわれようが人格攻撃されようが仕方ない、だって理想の正義はこちらにあるのだから」とか、理想の正当性をかさにきて不参加者を攻撃し出したりすることもあります。
これがエスカレートするとその運動に対する疑問や批評や批判、感想を書いたりしただけで「この理想が理解できないなんて!!」と実際に攻撃行動に移ったりすることもあります。


これ、何かに似てませんか?
そう、宗教です。
宗教もその信者内で信仰してるうちは問題ないと思うのですが、それを信者じゃない世間に強制的に押しつけ出すと…、おわかりですね。
「○○運動」も運動をやるのならどうぞご自由に、と。ただしその運動に参加していない人に強制的に押しつけたり、運動の参加・不参加の自由まで強制的に奪わないように。
宗教には信仰の自由があれば不信仰の自由もあります。運動にも不参加の自由もあることをお忘れなく。



具体的な目標や方法の提示があって、実績があって、不参加の自由を奪わない、そういう運動には自分は理解を示しますし、共感できますし、実際微力ながらお手伝いしたりなんかしてます。
だからホワイトバンド運動についてもまったく共感できないわけじゃないんです。
ただ抽象的な目標や手段の提示じゃなく、具体的な目標や手段を提示してくれればと思ってますし、運動自体を批判するつもりはないです。


チャリティーやボランティアに興味がある人に観て欲しい作品。

  • 『DEAD OR ALIVE2逃亡者』

http://www.toei-video.co.jp/data/hs/vcatalog_dvd/item/200106/dstd02009.html
悪人を殺して、その報酬をワクチンのために募金する。
どうです? 究極のチャリティーでしょう?