萌え4コマの源流。

今日はこの話題を自分も少し考えてみようかと思います。

  • 萌え4コマ」歴史・現状・展望(「4コマ漫画読みのblog」様より)

http://blog.livedoor.jp/sweetpotato/tb.cgi/26580127

  • 萌え4コマ漫画の源流は?

萌え4コマの歴史に関していうと『あずまんが大王』以前、インターネットが普及する以前には「萌え」という言葉はメジャーではなく、「萌え」の定義自体もなかったと思うので、「萌え」という言葉がメジャーになり、かつ定義されだした時期として『あずまんが大王』を萌え漫画の原点に置くことに異論はないです。
そうしておかないとどこまでも遡っちゃうことになるので。
「萌え(という言葉で定義できる)4コマ漫画の原点は『あずまんが大王』」という話には賛成。


ただ、90年代前期には青木光恵を初めとした、今で言うところの「萌え」にカテゴリーされる漫画はすでに始まっていました。
それまでの4コマ誌の"ほのぼのファミリー路線"とは一線を画した、青木光恵みずしな孝之世代の作家たちによる漫画が萌え4コマ漫画の原型ではないかなと自分は考えます。


もうひとつの萌え4コマの流れは、トラックバックでおろし氏が書いてるゲーム系アンソロジー4コマかと思います。
ギャルゲー系ではないのですが、90年代前半には新声社の「ゲーメスト」の流れで発刊された4コマアンソロジー本があり、『ストⅡ』や『餓狼伝』といった格ゲーのギャグ4コマ本が大量に発刊されていました。
(その中には現在萌え漫画で活躍されてる方たちの名前も見ることができます)
これらを今見ると十分「萌え」カテゴリーに入れることが出来ると思います。


自分は4コマ誌におけるみずしな孝之世代の作家さんとゲーメスト系の作家さんが萌え4コマの源流であったのではないかなぁと考えます。
当時「萌え」という言葉がなかっただけで。
ただ、当時これらの作品は「あれは4コマ漫画じゃないから」と4コマの本流からは異端視されていたように思います。

  • 「きらら」って何なのだろう?

当時、芳文社まんがタイム」系の4コマ各誌では萌え4コマがバラバラに連載されていたんですが、ファミリー路線のタイム系にあってはやっぱり異端だったんですね。
しかしそれぞれの萌え4コマにはしっかりとファンが付いている。「萌え」自体も商売として成立する見通しが立ってきた。
それじゃあということで萌え4コマを集めて、実験的に創刊されたのが「きらら」だったと思います。


で、「きらら」がなぜ上手く行ったかというと、それまでタイム系の本格4コマの中でもまれてきた人たちが集まってたからなんですね。
「きらら」で4番を打ってる海藍氏でさえタイム系では一〜二軍をウロウロしてるような選手だったし。
(「きらら」連載初期、タイムジャンボの若手登竜門みたいな企画にまだ出ていたような)
だから読んでも面白い4コマ漫画として成立していた。
これが「きらら」が上手くテイクオフできた理由だと自分は思います。

  • 「きらら」「MOMO」以外の萌え系4コマ誌が振るわない理由って?

これは「もえよん」創刊当時の自分の日記を読んでもらえれば。
http://d.hatena.ne.jp/bolt69/searchdiary?word=%a4%e2%a4%a8%a4%e8%a4%f3
今読み返すと「ギュッと!」への自分の入れこみ方が痛々しすぎますが(笑)。


やっぱりね、「萌え」だけじゃダメなんですよ。漫画として成立していないと。漫画はイラスト集じゃないんだから。
「「萌え」を入れとけばバカなオタクが山ほど釣れるだろう」と、なめてかかったのが敗因。
オタクをなめてかかるってのはオタクビジネスで失敗する典型的な例。

  • 萌え4コマの今後の展望は?

いかに作家さんを育てていくかだと思います。それは環境的にも経済的にも。育てられないから引き抜きとかやるわけで。
4コマ漫画って描くの本当に大変ですから。
あと、「萌え」に振り回される必要はもうないと思います。
萌えに振り回されて漫画であるということを忘れてしまえば、それは本末転倒なので。