「活字ゴング」創刊。

はい、というわけで今週の週刊ゴングなんですが、今までは考えられなかったことが起こってます。


業界の盟主、新日本プロレスへの痛烈なダメ出し。


しかも新日本プロレスファンが内心忸怩たる思いを持っていて、だけどそれを口に出さず、今度こそは変わってくれるだろうと期待していたことを明文化。
いやー、これって痛快だし、ゴングの大転換点になると思いますよ。


「ネットで"批評"とされてるモノの99.99%は悪口」というのが自分の考え方なんです。
というのもネットでの批評って対象をけなし、さげすみ、おとしめ、相対的に自分の地位を高めてみせるための文章だから。自分はそんな文章は批評だと思ってません。


今回の週刊ゴングはちゃんと批評になってるんですね。新日への悪口じゃない。新日の問題点を的確に上げていき、どうすればそれを変えることができるのかを提示している。そこには対象をおとしめる行為はなく、対象に上に上がって欲しいという願望、リスペクト、愛がある。自分は作品へのリスペクトがない批評は批評だと思ってません。
悪いなら悪いでどこが悪いか、そしてその悪い点のどこをどう変えれば良くなるのかという、"批評"とは対象を昇華させる作業だと思います。悪い点を単に「悪い」と斬って落としてるのは単なる悪口。


作品を昇華させるためには


①比較すべき古今東西の作品への幅広い知識。
②どこが悪いかを的確に判断できる目。
③悪いところを悪いと言える勇気。
④過去の作品に固執しない自由な発想。
⑤新しい表現や、自分には受け入れられないものでも受け入れられる度量の深さ。
⑥文章のチカラ。


この6つが必要。
だからこの6つがないと"批評"とは言えないんではないかと思ってます。


今週の週刊ゴングにはこの6つがきちんと揃ってましたね。
そしてなぜ今、週刊ゴングが新日を辛辣に批評しだしたかというと、やっぱりプロレス業界への危機感でしょう。
今までのゴングは言ってみれば過保護な母親。新日という子どもをとても甘やかしてきた。「アナタは業界の盟主なのだから」と。でもそれがダメなことにやっと気付いたわけです。


子どもって甘やかす母親だけでは育たないんですよ。甘やかす母親がいれば厳しい父親が必要。その厳しい父親とはジャイアント馬場なんですよ。
NOAHは厳しい父親であるジャイアント馬場と優しいファンに育てられたからこそ健やかに育っているわけです。


じゃあ新日はどうかというと、アントニオ猪木というわがままで過保護な母親がいて、いつまでも子離れできない状態。新日から離脱者が続出するのは子どもの親離れなんですよ。「もう俺に干渉するな!!」と。干渉されないためには家を出るしかない。
家を飛び出した選手たちがのびのびやっていて、健介みたいになっちゃうのは、家の外は状況が厳しいけれど自由だから。母親の干渉がないのだから。


このままマスコミも新日を庇って甘やかしていては本当にダメになってしまう。それじゃあ週刊ゴングは厳しい父親になろうということなんでしょうね。ジャイアント馬場に回帰しようと。プロレスをプロレスに回帰させようよということだと思います。


1月4日の東京ドーム大会を会場やテレビで見ていて、「あー、こりゃダメだわ」と思わなかったらウソ。異種格闘技名勝負と称してアントニオ猪木のビデオを流していたけれど、PRIDEに慣れた目で見るととても正視に耐えない。こりゃやっぱりプロレスだったと。アントニオ猪木という幻想が砕かれた大会だったと思います。だからもうプロレスは猪木離れしないといけない。
今週の週刊ゴングは本当に新日ファンが内心忸怩たる思いをしてることを「言葉」にして発しているから必読。


しかしこれで新日が変わらなければ?


我々にはNOAHがあるじゃないですか(笑)。
いや、本当にNOAHが"箱船"になってきましたね。


と、ターザン山本!ちっくに今日の日記。


PS


自分は新日の中でプロレスをやりたい選手は全日かハッスルに行った方がいいと思う。全日の武藤が言う「興行とはパッケージだ」というのがプロレスの真理だと思いますので。いまこのパッケージを実践できてる団体はNOAHとドラゴンゲート。悲しいかな新日では絶対にパッケージは無理だと思います。
天山、吉江、真壁、矢野、棚橋、西村、後藤、ヒロ斉藤は新日から出たほうがいいかも。