ブログとクルマは似ている。

コミケに参加している人間としては、今日はこの話題でしょう。

  • 「オタ」「きもい」──スタッフのブログ発言、企業を巻き込む騒動に

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0508/23/news037.html


この企業に関しては「脇が甘かった」としか自分は言いようがないです。
休憩時間じゃなく仕事中に写真を撮っていたのなら、それはやっぱり企業の管理の甘さを追求されても仕方ないんじゃないかなぁ。
さらに関連記事

IBM社員が会社関連のトピックに関して自分のBlogをホスティングする場合は、最善の判断力を働かせ、そこに記された所感や意見が個人的なものであり、必ずしもIBMの公式見解ではないことを明確にするよう勧告している。

これはたいていの企業がやってることですので、それをバイトにまで徹底できなかったのはやっぱり脇の甘さなわけで。
ただ、今回の出来事はこの企業が起こしたものではなく、そこに勤めていたバイトのやらかした出来事だし、ブログに書かれていたことも企業としての発言じゃなく、このバイトの個人的な発言なので、自分はこの企業を責め立てる気にはなれないんですよねぇ。
この企業、もしこれからコミケに出店する機会があるのなら、失地回復、汚名返上、名誉挽回、頑張ってください。
質を向上したサービスを期待してます。


そして今回の出来事で自分が本当に大問題だと思うのは、こういう文章の書き方を知らない短慮な人間でもブログを持つことが出来ることだと思うのですね。
「公に向かって発言する文章の書き方」を知らない人間がブログを持つことの怖さ。
それはまさに事故が起きることなど考えず、法律を無視して公道を爆走する自動車の恐怖と同じです。


あまり良い例えじゃないんですが、今回のブログの出来事はクルマと免許の関係に似てると思うんですよ。


免許を取るために教習所へ行くと、クルマの実技とともに法令を学びます。
基本的に法令の講義は、法令がどうして定まったのかという因果関係を教えることなんですね。
「この道路には速度制限があります」→「それはスピードを出すと事故を起こす可能性が高くなるからです」→「だから法律を守りましょう」という因果関係を教えるんです。
けして「スピードを出すと捕まります」→「だから法律を守りましょう」という教え方をしているわけではないのです。あくまで法律が存在することの必然性を説き、それを理解させるのが法律の講義なんです。
その因果関係をアタマに入れ、実技を修得することで始めて免許が取れるわけです。
クルマを運転することを「免じて」「許される」のです。


今回のブログの筆禍事件は、無免許で公道を爆走することと同じだと思うんです。
公に発言する文章の書き方を知らなかった→大事故発生!! ってな感じ。
職場の写真を入れ、職場が特定できるような状態で物事を書けばどうなるか、筆者にはまったく因果関係が想像すらできなかったと思うんですよ。
企業名が書いてるクルマで速度超過して「気持ちいい〜」と言ってるのと、企業の看板を背負いながらオタク批判をして「きんもーっ☆」と書くのは同じこと。
そういうおこないをすることで後でどうなるか想像すらできなかったのは、この筆者のあまりの短慮というか世間知らずと言うしかありません。


公に向かって発言することがどういうことか、そしてそこにはどういう技術がいるか、因果関係を知らないと、こういう爆走ブログによる事故はどんどん増えていくと思います。
ブログを持つということがどういうことなのか、事故を起こさないためにはどういう文章を書けばいいのか、今回の出来事がブログ界隈に投げかけた影響は大きいと思います。