コミスタ日誌(8月22日)

週刊アスキー今週号の『今週のデジゴト』の中で映画のデジタル化によるコスト削減の話がありますが、コミスタを使ってると顕著にそれを実感します。
アナログ画材をすべて揃えて297,120円(消耗品価格含まず)
コミスタだと60,800円(パソコン価格含まず)
(上記価格は『電脳漫画魂外伝』による)


タイム・イズ・マネーと言われますが、アナログ画材とコミスタでは練習量とそれに費やせる時間も大幅に違います。
アナログ画材だと高い消耗品はおいそれと使うわけにいかないし、インクの乾きや消しゴムかけの時間、トーンや紙などのゴミも出ます。
これらが練習量を制限してしまうのですね。
それに対しコミスタだと高い消耗品を使う効果はいくらでも試せるし、待ち時間が存在しないし、トーンや紙くずは発生しません。
ですのでアナログ画材よりも練習量を増やせるわけです。
だから自分のようにマンガを描き始めるのが遅かった人間にとって、コミスタによるデジタル化は大きなメリットを享受できると思います。


そうすると『今週のデジゴト』で「コスト削減によるデジタル民主主義」ということが書かれていますが、マンガでもそれが可能になると思うのですね。
誰もがマンガを描いて発表できる時代。
社会人になってからマンガを描き始め、コミスタタブレットを使い始めて半年の人間でもヘタクソながらこの程度のマンガは描けるようになるわけです。


で、こうやって書いてると「コミスタ信者めっ!!」と言われそうですが、コミスタにも色々デメリットがあるのですね。
それを説明しないのは反則なので、自分がデメリットだと感じることをいくつか箇条書きに。


①ものすごくマシンパワーを使う重たいソフトである。
②慣れるまでに時間がかかる敷居の高さがある。
③ペン設定など、自分なりの設定を出すまでに時間がかかる。
④モニターで表示してるモノと、紙媒体に印刷したモノがイコールではない。


①は物理的にメモリの増設でクリアするとして、②〜④は結局慣れの問題になってきちゃうわけです。
④も何回か印刷所に出せばどの程度の線やトーンが出るのかわかりますし…。
コミスタで一番多いのはこの問題じゃないかなぁ)
その慣れをマンガ初心者が飛び越えられるかというとかなり疑問です。


初心者にこそ使って欲しいのに初心者に厳しいソフトになってるのがコミスタの最大の問題かなぁ。
コミスタの質問掲示板を見ると、とにかくその操作の「わかりにくさ」がいつも語られているので。
乗り越えればものすごく楽なソフトなんですけどね。


自分が考えるのはコミスタの機能に、初心者にもわかりやすいチュートリアル機能をつければいいんじゃないかなぁと思います。
簡単なマンガならチュートリアル通りに進めていけば、ほら、できあがり!! みたいな。


こう書いてくると、やっぱり「コミスタ信者!!」と罵られそうですが、自分はアナログ画材でマンガを描くことを否定しているわけではないので。
ただ、マンガを描く技法はデジタル・アナログを含め色々あってもいいだろうと考えているだけです。


アナログ画材は歴史が長いだけに色々なテクニックがありますし、描き方も教え方が確立しています。
でもデジタル画材にはそれがない。
そうであればデジタル画材を使ってる人間が生の意見を書き、サンプルになることで、デジタル分野の進歩が進んでいけばいいなぁと思っております。